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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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音声ガイドつき「ローマの休日」

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映画に音声ガイドを付けているシティライツの
公開モニター会に参加しました。
音声ガイドとは、よくドラマなどである「副音声」です。
視覚的な表現、衣裳や俳優のしぐさなどについて、
映画の進行に合わせて解説(ガイド)するものです。

私がこの音声ガイドを演劇に付けようと思ったのは
介助のバイトを始めてからのこと・・・

それから、このシティライツさんの活動に関心を持ち、
ときどきイベントに参加させていただいていました。

さて、今日は、視覚障碍者も晴眼者も一緒に
同じ、音声ガイド付きの映画「ローマの休日」をみて、
それについて意見を言い合うという非常に面白い会でした。
視覚障害も、先天的に見ないのか、後天的なのか、
普段からよく映画を見る方なのか、初めて見るのか、
それに好みや好奇心の度合いによって、見方が全然違います。

特にみんなの意見が活発に出たのは、
語り手(あるいは現行の書き手)の気持ちが入ってしまうことについて・・・。
例えば、アン王女(オードリー・ヘップバーン)が、大使館で男性とダンスをするシーン。
相手役の男性について
「ひょろりと痩せた冴えない男」とガイドするとします。
「ひょろりと痩せた」は、だれが見てもわかる情報でも
「冴えない」というのは、語り手の感想になっていますよね。
みなさんから、いろいろな意見が出ましたが
結局、このシーンでは監督の意図するところが「冴えない男」なのではないかということで
このシーンではOKという意見が多かったです。

単純に言葉を選ぶだけでなく、限られた尺の中で、
映画の世界観を壊さないようにガイドを入れてゆくというのは、
かなり繊細な作業です。
沢山のことを解説したいけれど、間や沈黙も大事。
そして、一緒に観ている周りのお客さんの空気を感じることも鑑賞の楽しみですから
それらを考えあわせて作ってゆくわけです。

これから私も、
劇団銅鑼の公演「からまる法則」の音声ガイドを録音します。
お金をかけられないので、夜中に家を閉め切って
エアコンも切って、雑音がなるべく入らないように録音します。
毎度、「もう少し解説して」と「もっとすくなくていいよ」の
両方の感想をいただきますが
映画と違ってライブの舞台ですから、
その空気感が伝わるようなガイドをしたいと思います。

この写真の真ん中にあるのが、点字のチラシです。
私も読めません。
専門の方に訳していただきました。
白い凸凹は、まるでオブジェのように美しいです・・・
image

~本日のありがとう~
なんとなく気になっていたことが、
数年の月日を経てスルスルと紐解かれてゆくことがあります。
そんなたびに、毎日大事にしなければと思います。

Trackback(0) Comments(3) by 鯨エマ|2013-02-23 20:08

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