まるで、24年の旅から帰ったような感覚につつまれた。
横浜は西口、ど真ん中のホテル、
私たち38期のクラスメートが20人以上集まったのだ。
電車に乗っているときからずっとドキドキして
いざ、部屋に入ると、懐かしい面々がどっとあふれだした。
今回の同窓会は、退職なさる水谷先生(写真)への感謝の会として
いまだ交流のあるクラスメートが企画してくれた。
そのけっか、これだけの人数が集まるとは!
私にとって、今までの人生でもっとも記憶が鮮明の小学校高学年時代だが
それでも、当時の「学級通信」や卒業アルバムをみたとたん、
さらにはっきりと蘇ってきた。
先生は、私が芝居をしていることを御存知だった。
すこし、そんな話をした。
いまやカリスマ先生になってしまった水谷先生は
ご自身の極められた、「ペーパークラフト」について
話してくださった。
まだまだこれからやりたいことがあるという勢いだった。
残念ながら私は
夜勤があって2次会の途中で退席しなければならなかった。
帰りの電車の中では涙が溢れてきた。
忘れていたものがあれこれと、
おもちゃ箱のそこから出てきてしまったみたいに
もう、なんだか耐えられなかった。
決してお世辞ではなく、奇麗事でもなく、
ほんとうに、ほんとうに、友達たちが素敵な大人になっていて
びっくりしたんだ。
私は学校を卒業したあとで
芝居の世界に入って
いっぱい理不尽なことに遭遇し、
それにたえるために、学校で学んだこと、
倫理観からはなれよう、はなれようと、努力していた時期があった。
それは、もう私の心のそこに根強く広がっているのだから、
拭い去れるようなものではないのに、
必死に抗ってきた時期があった。
でも、こうして子供時代の友達に再会して
こんなに素敵な友達と一緒にすごしていた時間を
捨てようとしていたことがバカだったと思った。
しかし、悲しいかな、戻ることはできない。
一瞬にして、24年前にフラッシュバックした私たちは、
すぐにそれぞれの世界に帰ってゆく。
旅から帰ったように感じたけれど、また
すぐに旅に出るのだ。
でも、止まり木を見つけた今、これからの旅は少し変わるような気がする。
天涯孤独とまでは行かないが
ほんとうに、家族や故郷をたって生きてきてしまったわたしには、
この「止まり木」に、たまにとまってもいいかもしれない・・・
という安心感は、いままでにないものだった。
がむしゃらだけでは生きてゆけない年になったのだと思う。
おもいやり、分別、ゆとりが、なにをするにも、
必要になってくるのだろう。
「またね」といって、席を立った。
またね、ほんとうに、またね。
(先生が、プレゼントをあけたところ。)
~本日のありがとう~
今回の企画を立ててくれたもっちゃん、ともちゃん、
そして、水谷先生、
あつまったみんなも、集まれなかったみんなも、
ありがとう。
by 鯨エマ|2009-05-12 00:12
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