水野南北という名前を教えてもらった。
江戸時代の観相学の大家だそうな。
いぜん、古本屋で「顔」という本を買ってみたが
あまり私の知りたい情報はなく、
ちょっと、この話題から遠ざかっていたところ・・・・
ただ、ちょうどテレビニュースをつけていたので
こんなことを思い出した。
小学校のとき、わが家では
夜7時のニュースを見ることが決まりになっていた。
このきまりのために、人気番組のあられちゃんも、
私は見る事ができなかった。
それは、おいといて、
殺人事件などのニュースが流れるたびに
犯人の顔写真を見て私の母親は
「いかにも悪いことをしそうな顔だわ。」と
つぶやいた。
そして、ドラマで西田敏行を見ては
人柄の溢れる顔だ、と言っていた。
当時はそれを、そういうものかと、鵜呑みに聞いていたが
あることをきっかけに、
疑問を感じるようになっていった。
それは、自分の写真を見たときだった。
中学生のとき、私の知らないうちに撮られた写真が
とんでもなくブサイクで
目つきが悪かったのだ。
私はこんな人間なのかと、唖然とし、以来
写真を撮られることがとても嫌になってしまった。
行いの悪い人は、人相が悪い・・・のならば、
私のこの顔はどうだ?
それからほどなくして、
何かの折に母親が
「あんたはブスッとしていると見れた顔じゃない。
でも、笑っていればかわいい。
ずっと笑っていなさい。」
といった。
家族は時に残酷だ。
そういわれて、笑っていられるわけがない。
ましてや多感な時期だった。
顔というのは、第一印象を決める大切なものだ。
役者としてどんな顔が得かといえば、
世間一般の評価とは逆を行く、と、私は思うのだが
普通に生活しているなら、
すかれる顔、愛想が良いほうが得に決まっている。
でも、人にはいい顔と悪い顔があるような気がする。
それが表に、どんな割合で出るのか、
それこそ、その人の人格次第だと思うが、
私の中にも、みんなの中にも、
きっと、いい顔と悪い顔、両方があるような気がする。
役を演じるときにも同じことを考える。
ひとつの役には、その芝居を成立させるための重要な役割があり、
その役割をどう表現するかは、役の持っているいろいろな面を
おかれた場面、設定によって変えてゆくのだ。
最近よく思うのは、ニュースに出てくる凶悪犯罪者の顔が
それほど悪い顔ではないことが、少なくないということ。
なぜ、こんなに穏やかそうな人が、こんなことをしてしまったのか
なにか、私たちがニュースだけでは知りえない理由が
沢山あるのではないかと・・・・
今日は稽古初日。
私の演じるのは女優Bだ。
私の使える武器は、この、声と体だけ。
もちろん衣裳もメイクも、飾ってはくれるだろうが、
36年間引きずってきたこの体をどう使うか・・・・
では、髪を洗って、でかけます。
~本日のありがとう~
月曜日に突然入った撮影。
自前で用意しなければならない衣裳は
土井たかこ風のスーツ、という指定だった。
もってないので、ユッキーに電話すると
「もってるよ。」
さすが!!
おかりします、ありがとう!!
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2009-05-09 09:09
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