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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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図書館と銀行

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外出先で、ある施設に入ると
「これでもか」というくらいに冷房がきいている。
おもわず「寒いよ。」といってエアコンの温度を見ると28度。
決して低すぎる設定ではない。
イヤむしろ、それって冷房の設定?と聞きたくなるくらいだ。
それくらい、外は暑い。
31度だった昨日は「今日は比較的楽ですね。」
という挨拶を交わしていた。
今日はぶり返したので「あっついっすねえ~~~~!」。

子どものころは、夏休みの間に30度をこえる日が3~4日しかなかった。
それでも、暑さを凌ぐために私はよく、町の図書館へ出かけた。
ちょうど、小学校5年生のときに町立図書館が新しく建て直され、
それまでのものとは、サービスも大きく変わって、
いわば、「オアシス」だった。

わが家はクーラーがなかったので、夏休みの勉強はここで済ませるといいと
朝、開館時間と同時に入って、席を取っていた。
勉強していたわけではない、
カセットテープの貸し出しコーナーで
「借りてみたいカセット」を探すのに一生懸命だった。
なぜか、興味のあるものを借りることができなかった。
勇気を出して借りたのは、中学に上がってからのころ。
この図書館で、中島みゆきと出会い、
橋口譲二の写真と出会い、
モロッコの地図と出会い、
映画「ミツバチのささやき」や「ローマの休日」とであった。
すごい避暑地だった。

もうひとつの避暑地は銀行。
銀行は冷房が効いているだけではない。
冷たい水があるのだ。
足で踏んで水を出す冷却水は子供には高すぎた。
それでも、あの冷たさは夢のような心地よさだった。
本当に安上がりな娘だった。
以来私は、あの冷却水のことを「銀行の水」と呼んでいる。
「銀行の水」はそのうち、図書館にもお目見えした。

あのころは、なんだか時間が永遠だった。
書庫の影に座り込んで写真集を眺めていた時間、
銀行で手続きをする親を待っている時間。
いったい何を考えていたのだろう。

そうそう、3年前、映画の上映会のために長崎県諫早にいったときのこと。
上映会場が図書館だったのだが、どことなく懐かしさを感じた。
館長と話しているうちに驚くべきことを発見。
その図書館の設計者は、大磯図書館の設計者だった。

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2008-08-11 15:03

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