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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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のんちゃん、31歳

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いつも呑みに行っている新宿の店「のんちゃん」が
今週は31周年記念だった。
31年・・・・なみの努力じゃ続かない年数。
最終日の土曜日にギリギリで顔を出すと、
古くからの常連さんでひしめいていた。

あたくしも、このお店に出入りしてから
早、13年?かな?
その間、のんちゃんは毎回わたしの芝居を見に来てくれる。
芝居のときだけでなく、わたしはここに、事あるごとに通い
大笑いし、号泣し、時に爆睡し、数回は喧嘩もした。
大して呑みもしないくせに
よく、のんちゃんはわたしを追い出さずに
今まで見守ってくださっていると、もう
感謝してもしきれない。

のんちゃんには、たくさんの置物がある。
カウンターの上座と下座、両方におおきな招き猫があるのだが
これは、片方をお客さんが割ってしまって、そのお詫びにと
かってきてくれたので、計2個になったとの事。
今夜は下座に鎮座まします白い招き猫の横に
新たな猫を発見した。
最近、某イラストレーターによって、
壁面にマジックで描かれたという、頬杖をつく猫だ。
なんとも、趣がある。
猫は、その表情豊かさゆえに、こうして役者顔負けの
表現者になるのだ。

わたしは猫が結構好きなのだが、一度、大変恐い思いをしたことがある。
生まれてから2度目の金縛りで、
デカ猫に、押しつぶされそうになったのだ。
かれこれ5年前のこと。

当時わたしは引っ越したばかりのオンボロアパートで
網戸のない窓を眺め途方にくれていた。

高いしなぁ・・・・。
でも、窓を開ければ蚊が入ってくる。
クーラーも扇風機もない。
そこで、近所の金物屋にゆき、網戸の網だけ買ってくることにした。
こりゃ、安かった。
10メートルで700円くらい。
(とはいえ、10メートルも使い道がないから結局は無駄になるのだが・・・)
ルンルンと買ってきた網を、窓枠に這わせながら
ガムテープで張っていた。

そのとき、別の窓辺で、1匹の猫が
わたしの様子を興味深そうに見ているではないか。
「あら、こんちは。引っ越してきたの、よろしくね。」
挨拶をして、さあ、猫のいるほうの窓にも
網を張ろうと移動した。
猫は、こんどはアパートの外側を廻って
網を張ったばかりの窓辺に、大変キュートに座って、
わたしの作業を眺めている。

「おみゃあさん、かわいいね。」
といったが早いか、猫はわたしが張ったばかりの網に寄りかかったのだ。

ベリベリベリベリ!・・・ベロン!

網は無残に剥がれた。
「こらっ!」
かわいいなんて言うんじゃなかった・・・・
いたずら猫は、私のことを鼻で笑って(そう見えた)
走っていってしまったのだ。

その日の夜・・・・・

眠りについた私の顔を、獣が這った。
「猫だ!」
あの、猫が人に、体を摺り寄せてくる感じで
わたしの顔に擦り寄っている・・・!
あああああ~~!
声を出そうにも、これが金縛りというもので、
うんともすんとも、どうにもならない。
次に、猫は、その両手の肉球を
わたしの右肩に乗せ、ムギュウッ!と全体重をかけてきたのだ。
お、お、お、お、おもい・・・・!!
たたたすけて・・・・!

数十秒後、目が覚めたとき、傍には猫はいなかった。
ドアは締まっている。
鍵のかからない、本当にボロいアパートだったのだが、
まさか、猫が自分でドアを閉めて帰っていったのか?!
もう、恐さでその日は寝ることができない・・・
とおもったが、結局良く寝て朝を迎えた。
おきてみると、夢だったのか、現実だったのか分からなくなっていた。

そして、現在に至るまで謎は解けないまでも、
わたしの数少ない金縛り体験記として
事あるごとに語らせていただいている。

のんちゃんの話からだいぶずれてしまったが、
ともかく、そんな貧乏なときも、わたしは格安の値段で
のんちゃんで呑ませて貰っていた。
網戸はなくとも、酒はあった、カウンターには
どこの誰だか知らない人がいて、
年齢性別、職業関係なく、バカ話をした。
この、猫事件の話も何度かした。

のんちゃん、これからもよろしくね。
めざせ、還暦!

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2008-06-22 04:04

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