病院の話を書くに当たって、
15年前に働いていた病院での経験は
本当に役に立っている。
かなり特殊な病院だったが
20歳だった私も、
なんの免許も資格もないのに、教えられるままに
バイタルチェックやガーゼの滅菌、
食事介助や服薬介助、風呂介助をやっていた。
そこも、ご多分に漏れず人手不足で
休みの日には看護士2人と、私のような看護助手1人で
140人近い患者さんに対応をしていた。
なにかと窮屈な生活だったが、
彼らにとって安らぎの時間の1つである、「タバコの時間」は
忘れられない。
決められた時間になると、ナースステーションの前に1列に並ぶ。
そして、自分の持ち物の中から1本ずつ、もらうのである。
そして、1つのライターを回して火をつけ、
水の入ったバケツを囲んで少しでも長いこと吸っていようとする。
それぞれに決められた本数があり、それを大事そうに吸っていた。
今日の稽古ではフリートークでタバコについて話してもらった。
今回、出演者で吸う人は三人。
休憩時間になるといそいそと外に出かけてゆく。
もちろん、館内は全面禁煙だ。
肩身が狭いといいながら、息抜きに出かける様子は
なんとなくかわいらしくもある。
私自身はタバコを吸わない。
それでも、タバコをすう人を少しうらやましく感じるのは、
あの病院でのタバコタイムが思い出に残っているからだろう。
多分、タバコに父親の思い出、彼氏の思い出、不良時代の思い出を
もっている人は多いだろう。
ワタクシも、然り。
私は非喫煙者だけど、タバコ愛好家なのだ。
Trackback(0) Comments(4) by 鯨エマ|2008-06-06 04:04
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