いつも舞台写真を撮ってもらっている
写真家BOBBYから入院したというメールが入ったので
かけつけることに。
どうやら、深刻そう。
「何にも食べられないから。何にも持ってこなくていいからね。」
じゃあ、お菓子もやめて、よさそうな水でも買っていくかな。
東大病院・・・・?はじめていくなあ。
それにしても、病床のご両親を抱えた独身の彼が
入院とは、いろいろ大変だろう・・・・と、
いうことで、行く前にメールを
「なにかいるものある?」
すると、次々に短いCメールが。
「薬局でサクセスジェット」
「ペンライト、小さい奴ね。」
「1万円札を千円札に両替したいんだなあ。よろしく。」
「耳掻きめんぼうと・・・」
「あ、サクセスジェットって、毛髪料のことね。」
「あと、目薬スマイル40」
「わがまま言ってすまん。」
「あ!ボディシャンプーもよろしくね!」
電車に乗る前に聞いておいてよかったよ、まったく。
というわけで、新宿を歩き回ること1時間。
ようやく買い物をおえる。
そうだそうだ、こういうときこそ退屈な病床で
手紙なんか書きたくなるんじゃなかろうか・・・・
と、ついでに世界堂によって、キレイなハガキセットと似非万年筆。
それから健康食品店でおいしい水を買い込み
丸の内線に乗る。
本郷3丁目はあまり馴染みのない駅だが
大学の校舎沿いの並木道は、祝日のせいか閑静で
なかなかよい散歩コースだった。
お見舞いの人用の入り口がある。
その横に救急車。
7月にやる舞台は病院の話なので、
ちょっと観察しながら中へ。
果たして、あの、大学病院独特の押し寄せる重い気圧はなかった。
1回には売店と郵便局が。
よかった、手紙書いたらここから出せるね。
受付に言って、「A病棟8階の・・・・」
あ、本名知らない。
まさか、BOBBYとは言えないしなあ。
「名前がわからないんですけど。」
逆に私が「おまえはだれだっ!」と言われそうだった。
が、人の捌きに慣れた受付のオバサマが、
「じゃあ、これを」と、すんなりバッジを渡してくれた。
去年の11月にギターの先生をお見舞いに行った。
正月には検査入院の知り合いを見舞いに。
どこの病院に行ってもいろいろな表情の人がいる。
エレベーターの中で一緒になったひと表情で、
これからどんな人に会いに行くのかわかるような気がする。
BOBBYは、2人用の部屋に一人でいた。
点滴中。
脂肪を入れてるんだと。
もう、お腹に充分ついてるからそれ以上入れなくていいんじゃないの?
と、突っ込みを入れられるくらい元気でよかった。
絶食生活のせいか、とても首周りがすっきりし、
なんだか、さわやかな表情だった。
「いやあ、意外と忙しくてさあ!」
血糖値などを自分ではかって記録をつけなければならないらしい。
常に点滴につながれ、
1階に売店があることすら知らないという。
「もう少し元気になったら探検するから。」
なーんて、元気そうだが「●●性大腸炎」という病名と
真っ白になってしまった舌を見る限りは
しばらく休んだほうがよさそうなかんじ。
小さなカメラをもっていて、
撮ろう撮ろうと、いって、ナースコールを押す。
「だめだよ、こんなことで呼んだら。」
「いいよいいよ。」
果たして茶髪のネエチャンがやってきて、撮ってくれた。
私のほうは自分のカメラでパシャリ。
「ブログにのせていいよ~~。」
カメラマンには珍しく、被写体になることを喜ぶBOBBYであった。
次回、もってくるものを注文され、帰路へ。
毎日病院に通う、患者さんの家族というのは大変なんだろうと思った。
健康だけがとりえの私には
想像しても実感としてはわからない複雑な思いが
この病院内に絡み合っているんだろう。
窓からの景色の良い病院でよかった。
早く、退院して、また美味しいお酒を飲もうね、BOBBY。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2008-04-30 09:09
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