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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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マミーシアターまで

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今年は比較的芝居を観にいけている。
今週は、予定していた仕事が流れたこともあり、
観たかった作品と、観なければならない作品、
ひっくるめて3本。
開演5分前を目指して劇場に行くと、着席後すぐ、
例のアナウンスが流れる。
そう、携帯電話の電源・・・あれだ。

どの劇団も、普通にアナウンスしたぐらいでは、ダメなことがわかっているので、
工夫を凝らして「切ってね!」サインを送る。
それだって、なかなか観客は電源から切ってくれない。
せまい劇場の中で、マナーモードが、「これ、ほんとにマナーモード?」
ってくらいブーブーと轟くことさえある。
一人一人のカバンの中をチェックするわけにも行かないので
あとは、もうならないことを祈るしかない・・・のだ。

12月の公演「いもづる」では、
2日目にすっごい着メロが鳴った。
オール観客だけでなく、舞台の上の役者までもが
ギュイっとそっちに引っ張られた。
盲点、遅れてきたお客さんだたのだ。
開演に遅刻しただけで、制作サイドは芝居の進行状況を気にしながら
真っ暗な客席に誘導しなければならないのでハラハラしているのに
うっかり、「携帯、切ってくださいね」をいい忘れてしまったのだ。
だからといって、もちろん、わたしはこの制作を攻めたりはしないけれど、
それにしても、あの着メロは・・・無情だ。

しかし、土曜日のマチネ公演に、子連れの友人がやってきた。
このM様は、ご子息がもっともっと小さいころから
来場してくださっている。
私も彼女の結婚披露宴の司会なんぞ、やらせていただいたご縁で
今もお目にかかれるのを楽しみにしている。
普通、幼い子どもは入場を断られることが多い。
そこを、多少は心ある劇団、劇場だと、託児所を設けたりするのだが
かなしいかな小劇団、小劇場には、人手も空間も余裕がまったくない。
私はこのM夫妻が来て下さる時は
なるべく出口に近い席を確保しておくことにしていた。

が、しかし、先日の劇場は出入り口を芝居の中で使っているので
子どもが多少動いても大丈夫なように
最前列を案内した。
果たして、芝居が始まって、その子どもの笑い声に
押し上げてもらうかのように、芝居は進んでいった。
客席の影から全体を見守っていた私は、途中、子どもがぐずったりしないかと
心配はしていたが、1時間43分、無事に幕を下ろした。

不思議だ、携帯電話の音は気になるのに、子どもの声は気にならない。
当たり前のようで、今までどうして気がつかなかったのか・・・。

そんなことがあって、年明け、知人の企画した公演が
同じく下北沢であった。
彼からメールで公演案内がきて、
なにやら、「マミーシアター」という記載がある。
泣いてしまうかもしれない子どものお母さん優先、という日がある。
観ている人は、子どもが泣いてしまったとしても、怒ってはいけません
という公演日があるのだ。
これはスゴイ!
そうだ、子どもが泣いて、それを怒るのはどうかしている、
もちろん、芝居の内容によっては、
できるだけ、緊張感、静寂を大切にしたいと思うけど、
これは、是非、まねをしよう!
いや、広めよう!
・・・・というわけで、うちの7月の芝居では
マミーシアター敢行です!!

もちろん、泣き止まないお子さんのために、
外にすぐ出られるような工夫をし、
役者にはそれ相応の集中力を求め、
お客さんにも、イロイロな立場の人が
同じ作品を観に集まっていることを
納得してもらう。
苦情も出るだろう。
でも、良いと思ったことはやってみたい。
バリアフリーを、こういう方面にも広げてみたい。

私は小学生の時に始めて劇場に行った。
森繁さんの「屋根の上のヴァイオリン弾き」。
その次に観たのは四季の「キャッツ」初演だった。
この感動が、未だに忘れられない。
キャッツは、観た後にLPレコードを毎日聞き
全曲憶えた。

子どもには子供向けの芝居を、というのが、よくわからない。
大人と同じ芝居を、子どもの視点で観ればいい。
そのうち、自分にとって、何が心地よくて、なにが気持ち悪いのか、
そして、価値観が生まれてくるのだと思う。
芝居をほとんど観たことのない人がよく
「よくわからない。」
「むつかしい。」といっているのを聞くことがある。
そうではなくて、その人の視点で勝手に観てくれればいいのに、と思う。
子どものころから舞台を観ていれば
この「勝手にみていい」というのが、わかってもらえるのだろうか。

せっかく芝居を観たいと思ったお母さんの気持ちと
観させられちゃったお子さんの行く末にエールを送るべく
海千山千も、今年は「マミーシアター」敢行です!

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Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2008-03-01 12:12

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