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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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劇場の街で。

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下北沢へ劇場を下観にいく。
秋に他劇団に脚本を書くにあたり
(まだ予定だけど)
ちょっとみておきたいとおもった。
もちろんこの劇場は何度も来ているのだが
自分がこの劇場を利用するという視点では見たことがなかった。

私にとっては劇場のカラーはすごく大切で、
台本を書くときはかなりそれを意識して書く。
役者として演じるときも、小屋の大きさを考えながら稽古している。
まえに、某劇団の小劇場芝居に参加したとき、
みんな、張り裂けんばかりの大声で稽古をしていて、
こりゃあ、劇場に入ったら大変だ!とおもったら、案の定、
すっごいでかい芝居になってしまったことがあり
以来、書くにしても演じるにしても、すごく気にするようになったのだ。

劇団にいたころ、初舞台の公演で旅回りをしていた。
2000人の小屋から数百人の小屋まで、
毎日劇場が変わる。
なんだか、同じ芝居をどう演じたらいいのか、
私は客席の空気をまったくつかめないまま演じていた。
あるシーンで、私はストップモーションでとまっていなければならなかったのだが
(あれは、蛙の役だった。蛇ににらまれて怯えているという場面。
すごくシリアスなシーンだった。)
先輩のベテラン役者が、前の日に数百人の劇場で演じたのとは
まったく違う芝居になっていて、
2000人の劇場の最後列の人までしっかり見ているのがわかった。
蛙なのに、ため息をついてしまうくらい感心したのだった。

しかし、やはり、お芝居の神様はいると思う。
楽屋にも、客席にも、そしてちょっと恐いけど奈落にも・・・。
このお芝居の神様は、助けてくれるときと見放すときの差が激しいので
ほんと、恐いのだ。

今日は30分、誰もいない劇場の客席に座って、
その神様と話そうとしたけれど、
よくわからなかった。
誰かにGOサインを出してほしい、
背中をぽんと押してほしい。
しかし、誰も現れず・・・。

仕方がないので、買い物をして帰ろうと思ったら、スーパーが閉店していた。
下北はどうなってゆくんだろう。

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by 鯨エマ|2008-02-19 00:12

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