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[雨は遠いそらの上] 記事数:109

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福島の名瀑へ その2

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達沢不動滝から次はどこへ行こうかな…と地図を見ると、北北東に「白糸の滝」というのがある。よし、これだ。下調べも殆ど無いまま気ままに向かう名瀑巡り。

旧グリーンライン(現中ノ沢熱海線)に戻り、ちょっと先に行ったところを右に入る。細い道を辿っていくと、何とスキー場に着いてしまった!あれ、行き止まり?と思いきや、上へと続いていくらしきダートの急坂が。ぼくの車を追い越していった立派なセダンが、ががごごとその坂を登っていく。マジすか…。とはいえ滝のため、おそらく5km程度ふんばれば着くだろう。ここまで来て引き返す法は無いよ。
もの凄い荒れ道。がごんがごんと揺れる車。はっきり言って軽で来るもんではないです。車体の底が勢いよく擦れて、冷や汗の連続。パンクしないだろうか?景色はスキー場のゲレンデと、素晴らしい山並み。しかし楽しんでいる余裕が無い。
ちらほらと道路脇に車が停まっている。何でしょうね?山菜採りかな。やっと駐車場らしき開けた場所に着くと、車が20台近く停まっていた。こんなに人気のある滝なのか!と思いきや、何とここは安達太良山登山口のひとつだったのだ。それでこんなに車が停まっているのか…。見れば茨城ナンバーの軽の姿も。何だ、いるじゃないか…。
滝へは登山口から5分程度登っていったところにあるらしい。そのまま安達太良山を登ってみようかな、とふと思ったが「ここはハイキング気分で登るような山じゃねえんだぞ」という看板を見、あまりにも無謀なことに気づく。水も食糧も持ってないしな…。あたりには硫黄のにおいが。数年前にはガスによる死亡事故も起きているらしい。おとなしく今日は滝を見て引き返そう。↑登山届ポストをはじめて見た。ここは有名な山なんだということに改めて気づく。まさか自分が安達太良山に来るなんて思いもしなかったから…。
 
少し歩くとすぐに展望台が見えてくる。男性グループがそこで風景を眺めていた。見れば美しい山並みが続いている。とても広くて、遠くて、雄大だ。

今すぐ歩いてみたくなる小径。いつかは歩くことが出来るだろうか?
  

  
   
こういう風景を眺めるときぼくが思うのは、「もっと若いうちに出会っていたら、どんな感じだっただろう」ということだ。もちろん、皆無だったわけではない。でも、ぼくはいつでも受動的だったような気がする。自分の足で、自分で選んで得た風景。そういうものがもっと若いときに必要だったのかもしれない。でも今さらそんなことを言ったって仕方無いのだ。今、ぼくはこうして自分の足で風景に出会っている。この人生ではじめてのことだ。恥ずかしいが、そのことを大事にしたい。そのようにしてしか、ぼくは過去の悔恨を凌駕することは出来ないのだろう。それはある種の代替行為に過ぎず、あるいは愚昧で陳腐な、そして逃避ですらあると人は言うかもしれない。それは、このブログが連ねる陰鬱な文章や空疎な風景、その総体がやがてつまびらかにするだろう。そんなもんつまびらかになったって唯の塵芥でしかねえよ、と思うかもしれない。そんなことは無い。塵芥すら残らないのがデジタルの良いところだ。塵芥は一切をこの愚鈍な自我が引き取る。
 
 
 
  
さて、展望台からは待望の「白糸の滝」が望める。ちょっと遠すぎるのだけれど…。でも迫力は十分。切り立った岩壁を落ちていくそのスケール感は恐ろしいくらいだ。滝の水量も多いらしく、遥か下の谷底からは喧しいほどの沢音がきこえてくる。
  
  
滝というより、滝を含めた山容、新緑、遠くの山並みを満喫できて、本当に気持ちがよかった。春先から途絶えていた山に登りたい!という気持ちがまたムクムク膨れ上がってきた。でもそうこうするうちに関東も梅雨入りしてしまったけれど…。
帰りもまた悪路を慎重に下り、何とか舗装路まで戻ることが出来た。また来たいとは思うけどこの道は何とかならんかな~。途中、道を訊ねたときにおっさん達ちょっと半笑いだったしな…(こんな軽でよく登ってきたな、と)。
県道に復帰し、そのまま先へ進むと裏磐梯のほうに抜けるのだが、今日はちょっと時間が無いので中ノ沢熱海線を引き返す。母成峠を越え、カーブを下っていく。もうひとつ、見たい滝があるのだ。
そしてぼくは、素晴らしい名瀑と出会うこととなった。次回、トラブルと人情の(?)銚子ヶ滝編。最近の滝見行のハイライトだ。
 
 
 
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↑最近フィルム一眼EOS-1NHSを買いました。今はもっぱらネガですが、リバーサルにも挑戦してみたいです
  

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Trackback(0) Comments(4) by 雨|2008-06-03 14:02

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