小雨の降り止まぬ朝、ふたたび福島へと赴いた。国道118号線を矢祭山公園の手前で左に折れ、山の中に入り八溝山系の東麓、茗荷をめざす。目的はいったい何だ、と問われれば、滝を見に。としか答えようが無い。
仕事仲間に「滝?ひとりで?信じらんない(じじいみたい)」とばっさり言い捨てられようと、信じていただかなくて結構。滝以外に見るものは無えんだヨ、そして道の駅で食事。やっぱりじじいじゃねえか、ORZ。
見に行ったのは「吉野平の不動滝」。岩の真ん中を穿つように、水が勢いよく流れ落ちている。長靴をはいてきたので近くまでアプローチする。ひっそりと佇むその姿は、悠久の時を感じさせる神秘さで背筋を震えさせる。何らかの気配を感じそうでもあるが、至近距離で眺むるに、水の勢いは滝壺に白い泡を立たせ、まるで周囲の空気を引きずり込むような迫力を持っていて空恐ろしいほどだ。ほんとに引きずり込まれそうで身震いしてしまう。それにしても水が綺麗だ。
雨に打たれながら30分くらいそこで眺めたり写真を撮ったりしていたのだけれど、リモコン(レリーズ)を忘れてしまいやっぱり写真に微妙にブレが生じている。悔しいので再訪したい。また、八溝山系から流るる冷たい水によって滝壺周辺には温度差ができ、もやが立ち込めるという。そこに光が差せばどのような光景が拝めるのか、考えただけで涎が出てしまう。県道をほんの一寸徒歩で下ればすぐに見られる滝だし、これは至極再訪したい。
↑不動滝を上側から眺むる。このように県道から直ぐのところに滝はあり、アプローチも容易。滝の上には古い水道管も通っていてそれもまたオツ。諸賢におかれましては是非とも長靴を持ってGO!
雨がなかなか止まないのでとりあえず道の駅はなわに立ち寄り、お昼近くもあったが道の駅に来たとなれば頼むしか無い、ソフトクリーム。レジのおばちゃんは何が気に入らないのか、お釣りとレシートをぴしゃりとカウンターに叩きつける。何回かここで注文しているのだがそのおばちゃんは毎回決まってぴしゃりと叩きつけるのだ。他の客にはちゃんと手渡ししているのに。え、何ですか、若いみそらで道の駅なんざ虚虚されちゃ迷惑なんですってか?若いみそらでソフトクリームなんざ舐めやがって生意気ですってか?若いみそらで滝巡りなんざしやがって枯れんのも大概にしろやですってか?しくしく。
忘れたリモコンとぽつりぽつりと止みそうで止まない雨とおばちゃんの無言の非難によって我が心は一層悲哀に満ちたものとなり、煙草などふかしてみるも若い男女連れなどを見るにつけ、一層漂泊する我が心。
「滝?ひとりで?信じらんない(じじいみたい)」
じゃかあしいやい。滝以外に見るものは無えんだヨ、OTL。ここで帰っては男がすたるなんてこたあ無いすたるほどの男も持ち合わせちゃいないが折角来たんだもの、一丁見に行ってみましょうよう。と息巻くおれの隣の車の若い父親が子供に怒鳴りつけている。あんた自分自身に怒鳴ってんのわかる?わかんねえだろうなあ。ああ怖い、怖い父ちゃん。と呟いてみたものの、やがて哀しき我が心。Perfumeに勇気を与えてもらおう。リニアモーターガール。
↑そういえば今年の春のBGMはPerfumeとダニー・ハサウェイ「LIVE」でしたが、自分の中ではなかば福島のテーマとなりつつあります
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Trackback(0) Comments(4) by 雨|2008-05-13 14:02
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