命の日。
命の尽きた日のことを命日と呼ぶ、不思議。
忌日という言葉もあるそうで、意味としてはこちらの方がしっくりくるように思うけれど、耳にしたことはありません。
今日は、私の父の命日です。
父が癌で亡くなったのは、三女が生まれた二日後でした。
二日間だけ、二人の命の時間は重なっています。
二人は生きて顔を合わせることはなかったけれど、父は三女誕生の報せを聞いて安心していたそうですし、私は父が骨になる前に、三女の命名を報告し、彼女を抱いていた手指で父の髪をすすぐことができました。
父がいない時間を生きてみて、命を繋ぐことの尊さ、私のいない時間を生きるかもしれない娘たちの存在の愛おしさを、その時間が延びるほどに強く感じています。
末期癌の宣告を受けて4ヶ月で死んでいった父の、その間の生き死にの様は、多くの示唆、思索の糧を私に与えてくれました。
それらが、誕生学アドバイザーとなって、「言延べる」ことを志した直接の動機でもありました。
私にとって10月18日は、父の命日であると同時に、「命の日」なのです。
写真は、県内のとある高校で生徒たちに抱っこされる三女。生まれて2ヵ月の彼女を大切にそうっと抱っこする生徒たちの笑顔が素敵でした。子育てと性を考える授業で、一人の母親として伺った私は父の死についても語りました。まだ誕生学アドバイザーを志してもいなかったけれど、思えば、この日が「ことのべ」デビューだったような気がします。
Trackback(0) Comments(4) by ひつじ|2010-10-18 22:10
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