やわらかい手

もっと晴れたらいいのに　　

BLOG by Kay

[もっと晴れたらいいのに] 記事数：16

久々にジワッとくる映画を観ました。
マリアンヌ・フェイスフルの「やわらかい手」。
これってコメディってカテゴリになってるのが多いんだけど
観てる時はコメディか？って思ってました。
ところが、見終わってしばらくたつと
ああ、これは本当に秀逸でラブリーなコメディだわと
じわじわと思いだしました。

物語は、病気の孫のためにいわゆる風俗で働く話なんです。
ま、手だけで男性をイカすって仕事で、
主人公がまた、天才的な「手」を持ってたわけです。
何か、一見やるせなさが充満してるんだけど
だんだんこう、滑稽さと暖かさと…なんか色々で…
何と言ってもラストがね、いやーん、そう来るか、って感じ。
最後はね、女である自分を取るのが、またね、いいなっていうか。
DVDの特典映像にもうひとつのエンディングがあるんだけど
それなんか、もっと痛快に女なわけで。
やっぱりコメディだなって思ったのです。
あの映画の中で私は息子の嫁がいい演技してたなと思いました。
最初は姑を嫌ってて邪魔もの扱いして、
それがまた憎々しげで！
でも後半、自分の子供の治療費を姑が風俗で稼いだお金だとわかると、
実の息子は、ぎゃーぎゃー騒ぐんですよ。全く男ってやつは。^^;
こんな金使えないだの、汚れてるだの。
でも嫁は身を呈してくれた姑に心から感謝するんだな。
この辺の心の動きとか、男と女の肝の据わり方が違うし。
そしてお祖母さんもちゃんと最後は孫より自分の人生を選ぶ。
素敵じゃないですか。孫のことは出来る限りの事をしたから
あとは、息子夫婦に託す。そのシーンの
息子と嫁の対照的な表情が印象的でした。
でもこの映画の何よりもすごいなと思ったのは
この主役の女性、マリアンヌ・フェイスフル以外思い浮かばない。
マリアンヌ・フェイスフル、凄い女性ですよね。
現実も波瀾万丈らしいけど、この役は彼女のため！？と思うくらいでした。