全6回の朗読の講座が終了。
最終日の今日は、投票日だったので
朝から気持ちが落ち着かなかったけど
自分の番が回ってきたのが最後から2番目だったこともあり、
何とか最後まで集中力を保ちました。
課題は向田邦子さんのエッセイ集「父の詫び状」の中から
好きなものを選んで読むというもので、私も思い出深い1篇を選び
3週間の講座にのぞみました。
リピーター含め参加人数の多い講座で、
俳優やらアナウンサーやら、それなりにキャリアのあるかたも多かったので
聞いているのも勉強になりました。
3週間という時間の中で、人が進歩していくのを目の当たりにしたのも
いい刺激になりました。
(それにしても、1日6時間は長かった・・・・
日曜日に育児に徹してくれた夫に感謝です)
講師は「巨匠」クラスで、今時にしては珍しく
「ばかやろう」「朗読なんかやめちまえ」「あんたたち、中年主婦の傲慢だ」
などという、昭和的な洗礼を浴びました。
こういう指導が決していいとは思いませんが
「これでよく辞める人が出ないなあ」と、感心しました。
私もケチョンケチョンに言われ、カチンとくることもありましたが
罵詈雑言のうらにも、納得できるコメントがあったり、
なによりも、彼が演出した朗読の舞台が面白かったというのが
辞めないで頑張った理由です。
育児で多少失速してはいるものの
「習う」ことを辞めずにいる理由は
高校生の時にさかのぼります。
大学なんてさらさら行く気がなかった私も
友人たちが受験のために通っている「予備校」なるものを体験したくて
もぐりで横浜の駿台やら、河合塾やらの講座を受けました。
当時は簡単にもぐることができました。
現代文の講座で、有名なお爺さん講師が
「講師は教え始めるとダメになる。」と言ったことがヤケに記憶に残っているのです。
自分の人生で「教える」予定が全くなかった私は
かんじゅく座をはじめてから、「教える」ことになってしまい
なんだか、自分が役者として、表現者として、まずくなっていくんじゃないかという
不安が、私を習いに行かせるのです。
もともと需要の多い役者ではない、まさに大根なので
「教える」以前の問題ですが・・・・・。
でも、「教える」ようになってからのほうが「習う」のがたのしくなったのは事実です。
以前は、自分の演技のことしか考えていなかったけれど、
いまは、人が進歩していく過程や、
教え方、アドバイスの仕方を観るのも面白い。
「習う」なかで、いろいろな講師の方に接して
これだけは、自分は絶対にやらないようにしよう、と
反面教師的に学んでいることがあります。
それは、過去の指導者、指導方法を責めないこと、です。
けっこういわれるのですよ。。。。。
私も、たしかに「え?」「げ!」と思うことはあります。
「そんなやり方、誰にならっちゃったの?」みたいなことですね。
人それぞれ、合う指導者は違うし
どんな出会いも無駄なものはないと思いたいのです。
それに、一度習った先生には、それなりに愛着やら、思い出やらがあるでしょう。
そこを責めたり否定したりするのは、決していいことではないなあと
おもうのです。
さて・・・・
6回の講座の最終章で、私は巨匠から
「あんたは危ないところにいる。不断の努力を惜しまぬように」という洗礼を受けました。
そして「安定しちゃだめだよ」と。
以前、事務所の先輩女優、大沼百合子さんがおっしゃっていたことを思い出します。
大沼さんの出演なさっていた舞台がとても面白かったので
「すばらしかった」と感想をメールしたら
「明日も安定しないようにがんばります」という返信をくださいました。
これ、頭ではすごくわかる!!!!!
でも、どこかで、よりどころを求めてしまうのは、役者の弱点。
いい意味で、無防備になれていないのでしょう。
表現者としては、まずいでしょうね。
自分を戒める、いい時間でした。
余談ですが、隣に座った受講者の方は、群馬県からのご参加でした。
「東京なら、小池さんを応援しているんですか」といわれ、
「ちゃいます、ちゃいます!まさか!!!!」
と、全面否定。
そうか、東京というだけでそう思われているのですね・・・・
たしかに私も、世界のニュースをみて、その大半の動きで
国民全体の方向性をきめつけてしまうことがあります。
(トランプが勝ったときとか)
要注意ですね。
・・・・今夜は(も)選挙結果にガックシ。
今回は寸暇を惜しんで応援に行っていたので
なおさら悔しいです。
そして、毎度のように「これからだ」と、思いなおすのです。
さあ、あっちもこっちも、これからだー!
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2017-10-22 23:11
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