かんじゅく座に、時々、入団を希望する方から問い合わせのお電話がきます。
しかし、見学に至るのは半分、
そして、入団に至るのは非常に少ないのが実情です。
理由はいろいろなのですが、
最近多いのは
「介護をしていて・・・」というものです。
80代の姉の看病、90代の親の介護で、
自分の身が自由にならないから、
いつから始められるかわからないけど、
いつかはやりたいと思っている、とおっしゃるのです。
もちろん、「早く入団できるといいですね」とは言えないですよね、
まるで、亡くなるのを待っているようで・・・・。
だから私は「自由な時間が取れるようになったら、いらしてください」
と、言うようにしています。
介護、看病でがんじがらめの生活になるのではなく
たまには他人に任せて、息抜きできるといいですね、という思いを込めて・・・。
15年のヘルパー生活を通して痛感することですが
身内の介護、看病は、本当に大変です。
気持ちとお金が許すのであれば
積極的に他人に託し、自分が生き生きと生活する、
というのが、介護される側にとっても幸せなのではないかと思うのは
まだ少数派で、まだまだ他人に任せることに
良心の呵責を感じる方も少なくありません。
それはそれで、悪くない、むしろ美しいことなのかもしれませんが
そんな状況でも入団の問い合わせをくださるというのは
だれも言えない心の叫びのような気もするのです。
「私、このまま介護で終わってしまうのかしら」
「せっかくこれから、やりたいことをやろうと思っていたのに」
「いつまで、介護生活が続くのかしら」
介護は、終わりのみえない旅のようなものです。
元気になればうれしい、
でも、同時に自分の疲労は積み重なる、
やり場のない焦りと、良心の呵責と
身内だからこそ溜まっていくストレスで、
時に、押しつぶされそうになるのです。
そして、そういう自分を打ち消すように
「貴重な時間です」といってみる・・・・
愚痴ったりできない人ほど、溜め込みすぎて、
破裂しそうになっているのではないかと思います。
「いつでも、見学に来てください」
「時間ができたときに、どうぞ」
「タイミングが合うといいですね」
「座員にも、同じような立場の方がいますよ」
それくらいしか言えないのですが
できたら、息抜きに、足を運んでほしいです。
入団まで至らなくても、息抜きに。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2017-01-11 01:01
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