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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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「PASSHION ヘレンケラー光の中へ」にかかわって・・・

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劇宇宙★アブラクサスの公演に、かかわらせていただいて2週間、
3日間の音声ガイド本番を、終えました。
今回は、一緒にとりくんだF女史の独り立ちに向けた実践の場だったので
私は前説のみで、芝居の本編はF女史にお願いしていたのですが
予定していた2日間が終わったところで
急きょ、千秋楽にお客様が2名予約したいとのこと!!!
F女史にかわって私がぶっつけ本番ライブガイドをいたしました。
緊張の千秋楽でございました。

今回、とてもありがたかったのは
心から、愛せるお芝居と出会えたことです。
私たちは、稽古の終盤から参加するわけですが
長きにわたって稽古を積み重ねている出演者や演出の方々の
作品に対する思いが、ひしひしと伝わってくる現場でした。

そして今回私が親近感を感じた理由はもううひとつ。
ヘレンケラーという人物が、社会主義に入れ込んで敵を作っていったという
大人になってからの人生に、
いま、私自身が芝居にしようとしている歴史上の人物を、
重ね合わせていたこともあるでしょう。

歴史上の人物、実在した人物を芝居にするのは本当に難しい・・・
それは作家も、演出家も役者も感じるところだと思うのですが
どこか、うしろめたさと遠慮を抱えながらスタートし
どこかで史実を飛び越え
それでも、どこかに今と未来につなぐポイントを作りたいからです。

ヘレンケラーを演じた劇団代表の羽杏さんも、
本当に深く研究なさったのだと思います。
実際にヘレンが生活した場所を訪ねたそうですが
実在の人物であり、さらに、障がい者を演じるということは
もうひとつ、さらに大きなハードルがあると思います。
誤解を恐れずに言えば、
彼女の演技は笑ってしまうほどリアルでした。

以前、私が介助している脳性麻痺の女性が
ドラマの中で俳優・斉藤洋介さんの演じている脳性麻痺の役を
大笑いしながら「そうそう、よく捉えてる」と言って見ていたのですが
当事者が、あるいは当事者とかかわっている人間がみて
「笑える」というのは、素晴らしいと思うのです。
逆に言えば、不快感を抱くような演技では失敗だとおもうのです。

私は今回、スタッフとしてかかわっていましたが、
ひとりの役者として、彼女から非常にいいエネルギーをいただけたことが
ほんとうにありがたかったです。

演劇には、さまざまなメソッドがありますが
羽杏さんがとりいえているのが、アートメディテーションというもので
いわゆる「瞑想」とでもいうのでしょうか、
わたしにはうまく説明できないのですが
彼女が、そのアートメディテーションをとりいれていると知ったときに
約8~9年前に関わった現場を思い出しました。

そのとき、オーストラリア出身の演出家のもとで
私は、日本の戦争についての芝居を創ろうとしていました。
稽古は毎回瞑想ではじまり、瞑想で終わります。
万年寝不足の私は、目をつぶってしまったとたん睡魔に襲われることがありましたが
睡魔ならまだいいほうで、
芝居の中身が全然出来上がらない現状に焦りだすと
「瞑想をやっている時間がもったいない!」と、
さらに焦るようになりました。
「もう、瞑想はうんざり・・・・」とまで思いましたが
いまふりかえると、あの焦りが、一番芝居を邪魔していたような気がします。

今回、羽杏さんの芝居を連日観させていただき、
自分で納得できるメソッドを持っていることの強さと
そこからうまれる自由な表現を
見せてもらった気がします。

また、周りの役者さんも、回を重ねるごとに
進化していっている・・・・そういう「ナマ」な感動のある
本番5日間だったと思います。

私自身が、これからさき、自分の環境をかんがえると、
数を絞って、本当にじっくりと、時間をかけて
作品に取り組まなければならない、そういう状況になってきたために、
実にいいタイミングで、いい勉強をさせてもらいました。
そして作品も、ぜひ、再演してほしいお芝居です。

さて、秋の海千山千プロデュース公演は、やっと出演者がきまりました。
実在の人物がぞろぞろ出てくるお芝居だけに、いつもとは違った緊張が走ります。
明日は、脚本第一稿に、演出家からダメ出しをいただくことになっています。
へこたれず、魅力を感じた人物に、息を吹き込む作業をしたいものです。

自分への戒めの意味を込めて
羽杏さんと一緒に写真を撮っていただきました。
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と、ここまで音声ガイドとは違う話になってしまいましたが、
今日、ご夫婦で観に来てくださった、えにし様。
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そして、ここが、劇場前の通り。
劇場も、その前のマンション棟も、かの有名な安藤忠雄さんの設計らしいです。
安藤ストリート、というのかどうかはわかりませんが
20年位前にはやった「コンクリ打ちっぱなし」みたいな外観。
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まあ、話のタネに・・・・・・。

関係者の皆さま、お疲れ様でした、ありがとうございました。

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-07-18 23:11

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