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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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CD作成初挑戦!

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かんじゅく座が10周年の記念音楽CDを創ります。
来年5月の10周年公演の時にはお披露目できるようにと
今年の夏から計画を立ててきました。
ほとんどの曲の作曲を手掛けてくれた、みながわちかこさんのリードで
ここまでコツコツと練習を重ねてきましたが、
まあなんでしょう・・・・なかなか思う通りには歌えませんが
それでもついに、録音日はやってきたわけです。

録音は、1日で終わるわけではありません。
年末年始で3日間、
さらに3月ごろ、もう2~3日が必要となるでしょう。
その第一日目だった昨日は、
はたしてどれくらいの時間がかかるのか想像もつかない、という状態でのスタートでした。

まずは午前中。
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比較的音が取れるという4人を集めて、録音。
彼らの歌を入れたカラオケ(?)を聞きながら、
ほかの人が歌えるんじゃないかという目論見です。
ところが・・・・
やはり、緊張するんですね。
普段なら朝から元気な人も、なかなか思うように声が出ません。
マイクに声が乗らない人まで出てくるという事態に!?

ピンチ?!

と、おもいきや、ちかこさんは「想定内」と半ば落ち着いておっしゃいます。
今までも高齢者のコーラスグループなどで指導を重ねてきているだけあります。
そもそも、ヘッドフォンにマイク、というものに、慣れていないわけで、
環境の変化に対応するのが非常にむつかしい年代なのだということを
実感しました。

午後、続々と、ほかの座員が集まってきました。
(それでも、この日は全体の半数以下です。)
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今度は
「あの方は時間がかかるかも」と言われていた座員が、難なく高い声が出たり、
心配で仕方なかった男性陣が、意外と音が取れていたりで
これまた驚きでした。

時間に余裕があるなら、何度も自分の歌を聞きなおしてもらって、修正してゆきたいのですが
終わりの時間を気にしながら、
そして、歌うたびに一つ疲れが増えていく座員の顔色を見つつ、
容赦なく録音を進めてゆきました。
私とちかこさんは「これでOKとするのか?」というラインで
ずいぶん悩みましたが、
編集にも期待を抱きつつ、心を鬼にして進めてゆきました。
時間が限られていなかったら、延々と続けてしまうところですが、
或る意味、制限時間があるということは背中を押してもらっているような気持になりますね。

さて、18時過ぎると
「もうかえっていい?」なんていう人まで出てきて、
高齢者劇団はこういうところが大変です。
たしかに、保谷まで足を運んでもらっているし、
カレンダー上は冬至。外はすっかり暗いわけです。
眠たくなってしまったのでしょう・・・・
あと一回だからね!もう少し頑張ろう!
・・・・これ以上やってもいい歌は録れないかもしれない・・・でも、
もう少しなんとかしたい!というせめぎあいで
ついに、最後の録音者に!
ここまで残ってくれていた5人も、先に帰らずに見守ってくれました。

最後はマーサの歌でした。
細くも、きれいな声で、むつかしアルトを歌い上げました!!
ちかこさんから、OKがでて・・・・・
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これにて本日の録音終了です!おつかれさま!!!!

私なんか、歌いもしなかったのに、なぜだか、頭痛がするほどへとへとでした。
スタッフで部屋の撤収をすると、案の定、座員の忘れ物が・・・・
この忘れ物の回収までがシニア劇団の仕事です。
毎回、誰かが何かを忘れます。
はい、毎回です。

さて、なぜ今回CDをつくるのか、という話です。
芝居というのは生ものなので
公演が終わればもうお蔵入り。
よほどのことがない限り、再演はありません。
同じ作品を何年もかけて練り上げている劇団もありますが、
うちの場合は飽きが早い、残された時間でもっといろいろな芝居をやりたい、
という思いもあって、なかなか何度も上演できないわけです。
それでも、毎回同じように時間と労力をかけて作っている素材があります。
その一つが音楽です。
私が書いた詩に、すばらしい曲をつけていただいたものが
自動的に倉庫に入っていくのは、もったいない!
特に歌の場合は、芝居に合わせて作っていたとしても、単独で歌うこともできるようなものもあって
できれば愛着がわくくらいに、そばに置いておきたいものです。
この「愛着」という言葉に私は最近こだわるのですが、
歌というのは、そのメロディを聞くだけで、それを口ずさむだけで
当時のできごと、事件、思い出、仲間がよみがえってくる、
そういう力を持っています。
物事には、そこにかかわる人間と、時間があって、愛着が生まれてきます。
同じ歌詞でも、あの時に感じたことと、今感じることが違うという発見もあるでしょう。
だからこそ、いままでつくってもらった素敵な歌を、
もっと身近においておけるCDにしておきたかったのです。

そしてもうひとつ、座員たちには、
やったことのない経験をしてもらいたい・・・・という、私の独りよがりな思いがあります。
もう「完成している」「価値観が出来上がっている」という思い込みが、
演劇を創る現場でしばしば邪魔になります。
劇団の活動の中で、演劇以外にも「初体験」を積んで
どきどきすること、緊張することから逃げないでいてほしいと思うのです。

いやぁ・・・・そんな思いとは裏腹に、録音で疲れた顔つきに
なんだか、無理やりやらせてしまったなあという反省もあります。
家に帰ると
「あんな恥ずかしことをさせられて、もう私はやめたいです!」などというメールも来ていました。
シニア劇団は、本当に、むつかしいのです。
しかし、こんなハラハラする思いも、
続けていればいつかは芸の肥やしになるかもね。

実際に製品が出来上がった時の喜びが
全員とはいかなくても、何人かだけでもいいので、最終的に、彼らの喜びになれば本望です。
いまはまだ、やらされている感が漂いますが
次回はもう少し主体的にかかわってもらいながら、
充実した録音になればと思います。

というわけで・・・・次回録音もがんばるぞ!
(座員がやめてもめげない鯨)

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2015-12-23 08:08

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