思い出す八丈島

鯨エマの海千山千　演劇・映画創作生活

BLOG by 鯨エマ

[鯨エマの海千山千] 記事数：1742

明治座アートクリエイトの公演「明日葉の庭」の稽古場に通っています。
ここは、シニア含め、様々な年代が所属する、養成機関のあるプロダクションです。
プロとして活躍する方も多いらしく、
今回の出演者もオーディションを潜り抜けて選ばれた
「いい味」を醸し出す役者さんたちが集まっています。

普段、高齢者劇団を運営する私としては、
「よその劇団を見て、勉強しよう」という心づもりだったのですが
勉強も何も、なんだか皆さん、セリフはスラスラ、
オシャベリなんかする人はいないんです！！
そして、
何がびっくりって、ダメ出しを立って聞いている！！！
・・・・すごいですねえ。
わが、かんじゅく座で同じことをしたら
ブーイングまたは、死者のどちらかが出るでしょう。

さて、お芝居の話を少し・・・・

舞台は東京都のとある島の、シェアハウス。
その設定だけでワクワクするでしょ？！
この芝居を読んで、観て、頭に浮かんだのは、やはり、八丈島でした。
八丈島と言えば、シニア劇団「かぶつ」の地元です。
まだ、かぶつさんが、旗揚げする前に
拙作「つぶより花舞台」の上映会で伺いました。
そのとき、すばらしいペンションをご用意いただき、
店貸切りで、もてなしを受けたことが忘れられません。
そのとき、お土産に持たせていただいた「情け島」という焼酎は、
今も私の好物です。
なんといっても、ネーミングです。
いまもよく、人に差し上げています。

海に囲まれる環境に、湘南育ちの私は心底羨ましく思いました。
身体の底の方で、海を求める私が、
日常の東京生活をゲスなものに感じさせるのでした。

それでも私は空気の汚い新宿に戻りました。
当然、と言えば当然なのですが
その本心は「ちゃんとしたものを創らなきゃ」という気持ちでした。
「ちゃんと」ってなんだ？・・・という気もしますが
すばらしいもの、すばらしい作品、
そしてすばらしい風土を目の前にしたとき、感じることは、
自分で選んだ今の道を、恥じることなく頑張ろうということです。

八丈島にはかけがえのない友達ができました。
かぶつの座員の皆さんです。
彼らとは2年に1度しか会いませんが
「Ｙさんたちも、頑張っているだろうな」と思い出すことが
今日の私の励みです。

「明日葉の庭」は27日が初日です。
しっかり準備せねば！