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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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先週から、7月に本番予定の「残夏1945」の稽古場にお邪魔しています。
今回は、聴覚障がい者用の構成台本を創るのが私の役割。
この夏は、なんと3劇団の障がい者用観劇サポートにかかわることになっていて、
需要が伸びてきているんだなということをジワジワ感じています。

でも、これって、障がい者だけではない!
高齢者にも早々に結びつくサポートなんだと思うと、
シニア劇団に携わる私としても
自分の問題として、力が入るのです。

さて、稽古場では毎日、手話通訳の方が大活躍し、
演出家のサゼスチョンやスタッフの説明を通訳しています。

出演者の半分が聴覚に障がいがあるというので
この通訳さんが必須なのです。

当たり前のことですが
手話なので、観なければわかりません。
私たち健聴者は、日頃、人の顔を見ずに話すことなんて
いくらだってあるでしょう。
でも、今の現場は、手話、表情、口の動きを
みんながしっかり見ている。
なんだか、会話にやたらエネルギーを感じるわけです。
通訳を通すので、もちろん時間もかかります。
でもなんだか、
通訳を通した会話を、しっかりと観て、聞いて、想像して、
お互いにしっかりとキャッチボールしている。
まるで、養成所時代にエクササイズでやった時のような
言葉のやり取りをしているわけです。

こういう現場に身を置くと、
否応なしに、日頃の自分の会話を顧みることになるのですが
しゃべり方、表情で、相当なことが変わってくるだろうなと・・・
どうやら、私の声は伝わりにくいんじゃないかと思うことが多々あるのですが
例えば、電話での会話。
私の携帯電話にかかってくる電話の半分以上は高齢者からのものですが
聞き返されることが多いために、私の声は、ついつい大きな声になってゆきます。
隣にいた人から「声でかすぎ。」と、うんざりした顔をされることがあります。
私に言わせれば「だって(相手が)聞こえてないから・・・」と反論したくなるのですが
これ、ひょっとしたら、声の大きさの問題ではないのかも。

そう、早いんですね、私の言葉は。
早くなってしまうのは、それなりに理由があるのですが
無駄な労力も使っているだろうし
余計な雑音を吐き出しているかもしれません。
つまり、大事なところが伝わっていない・・・・

伝えるというのは本当に難しい。
単に音としての言葉だけでなく、意味だけでなく、
その言葉の含む思いまで正確に伝えるのは
難しいけれど、手段がいろいろあるんだな。きっと。

「残夏1945」いいお芝居です。役者さんたちがすばらしい!
そして、ナマ音楽もはいるそうで、ますます熱く盛り上がるでしょう。
今回関われて、幸せです!
以下、公演情報です。

残夏1945
「聞かせて下さい
      あなたの手に残された夏を____」

夏実は離婚した夫との間に生まれた耳の聞こえない娘の結と二人暮らしの新聞記者。夏実と結の関係は断絶しようとしていた。
夏実は自分の母、康子と思春期に断絶して以来、必要以上に会わずに人生を過ごして来た。
ある日、終戦七〇周年の記事の一端を任された夏実は母のことに思い至る。
母はろう者で、終戦間際の長崎で生まれ、被爆している。
被爆したろう者の体験談を聞こうと夏実は通訳を依頼する。
通訳者としてきたのは元夫である沢口だった。
広島で、ろう者の語る壮絶な被爆体験は夏実に母を思い起こさせる。夏実は通訳である沢口を伴って帰郷。母娘はひさしぶりの対面を果たす。

「同じだ。わたしは大嫌いだったこの人と同じ母親になっているんだ‥‥。」

やがて通訳を介して語られる母の半生。そして母の両親の被爆── 
もつれて、からまって、途切れているようで繋がっている、70年にわたる母娘の物語。
ーーーーーーー
演出:野﨑美子   脚本:米内山陽子
出演:日野原希美(聴者)・渡辺英雄(聴者)・貴田みどり・五十嵐由美子 砂田アトム・宮崎陽介(聴者)・西田夏奈子(聴者)・雫境・大橋ひろえ
ーーーー
日程:2015年7月9〜12日
公演時間:9日(木)19時
     10日(金)14時&19時
     11日(土)13時
     12日(日)13時
※開場は公演時間の30分前(整理券配布/開場1時間前)

☆チケット☆(全席自由・日時指定)
(前売)一般3900円、学生・シニア(65歳以上)3500円、高校生以下2800円
(当日)一般4400円、学生・シニア4000円、高校生以下3300円

★チケット申込先★
チケット申込:http://www.sapazn.jp/zanka.html
銀行振り込み、クレジットカード決済、セブンイレブン決済など、各種のお支払い方法をご用意しております。
■演劇サポート■
1)車椅子スペース(定員あり・要予約):付添いの方1名様は無料でご入場いただけます。
下記メールアドレス宛にご連絡ください。
2)聴覚障がい者専用台本貸出:下記メールアドレス宛に郵送先をご連絡ください。
公演10日前にお申込みの方には事前に送付いたします。
↓以下は視覚障害のお客様向け↓
3) 音声ガイド(FMラジオ貸し出しあり)
4) 舞台の上にあがっての説明会(要予約)
5) 当日プログラムの内容を俳優の声で録音したものを貸し出し
6) 高円寺駅からの送迎(要予約)
■申込連絡先: zanka1945@gmail.com

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2015-06-26 00:12

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