朗読の写真

鯨エマの海千山千　演劇・映画創作生活

BLOG by 鯨エマ

[鯨エマの海千山千] 記事数：1742

今年のかんじゅく座の舞台写真は、ふとしたご縁で知り合った
谷川さんという女性のカメラマンさんい撮っていただきました。

これらの写真から稽古の様子が分かるでしょうか・・・・

このチームは平均年齢が一番高かったせいもあり
今回のテーマである「戦争」に、一番拒否反応が強く長くありました。
他のチームがセリフ暗記、振付暗記に無心になっていく中でも
どこまでも、痛み、辛さ、があったと思います。
申し訳ないなと思いながら、
でも、ここでやらなかったらもっと後悔しそうな気がして
私は、みんなを無理やり引っ張っていました。

稽古の最中に、上手くいかないときは
落ち込む人もいれば、恨みがましい目で睨む人もいます。
私は、やりにくさを感じることもしばしばあるのですが、
そんなときに、勇気をくれたのは、
死ぬ思いで書き残してくれた、筆者のみなさんだったような気がします。
（もちろん、亡くなった方ばかりです。）

こうして、書物は筆者が亡くなった後も、この世を歩いている・・・
写真もそんなふうに、この世に長くメッセージを残すものではないでしょうか。

写真って不思議ですね。
私はライブが好きだから、「演劇」を選んだはずなのに
こうやって、写真というものに、
いろいろなことを気づかされることがあるのです。
カメラマンの方は、きっと大量に撮っているに違いないのですが
その中から選ばれし１枚には
その瞬間の、前後の時間を想像させる力があるだけではなく、
ある時は心の迷いを、
ある時は長年の苦悩を、
そしてある時は、それらを乗り越えて得られた熟成の年輪までもを
表しているのですね。

さらに、この世の目立たない人も、おとなしい人も
陰に生きる人も、みんなが
「主役」なのだと、思わせてくれる。
今回の写真は、
高校生の時に「１７歳の地図」（橋口譲二さんの写真集）を観たときと
同じような瞬間に、私を引き戻してくれました。

最後にみんなで歌った「みらい」

実は歌があるといった時
「朗読チームなのに・・・？」と、みんな怪訝そうだったのですが
稽古をつんだ結果、３チームの中で、
人数の少ない朗読チームが、一番上手でした。
作曲者みながわちかこさんのセンス炸裂の、いい歌だったので、
これからも、時々は歌ってくれるとうれしいですが・・・。