かんじゅく座朗読チームの5月公演は、
やはり戦後70年にひっかけて、反戦ものでいきます。
演劇のチームと違うのは、既成の書物から題材を選ぶという点。
戦争関連というだけで、70代の面々は、
どこか暗い陰を帯びるのです。
思い出したくない過去、
なぜいまさら、
私たちは楽しいことをしたくてかんじゅく座にはいったのに・・・
と、複雑な心境を語ってくれました。
わたし自身も、この反応を予期していなかったわけではないのだけど
それでも、このテーマで行きますと、
残酷にも言いました。
そこから1か月半、
昨日までの間に、候補作は23作品にもなりました。
いや、まだまだでてきそう。
これみんな、座員たちが持ち寄ってくれたものです。
詩、童話、短編小説、戯曲、新聞記事、エッセイ、絵本・・・
随筆のあとがきをもってきてくれた人もいました。
こうして、稽古場でみんなではなしながら、
ああでもない、こうでもない、これはどう?と言っている時間は
まだいいかもしれませんが、
これらをお家で一人で読まなければならない時、
その脳裏に浮かぶ「思い出したくない過去」に、
彼女たちがどれだけ苦しめられるのかと思うと、
気が気ではありません。
わたし自身にも、躊躇がないわけではありません。
戦争を知らない私が、どう舞台を創ってゆけるのか
うわべだけのものになってしまうのではないか、
戦争を知っている人ががっかりするようなことになってはいけない・・・
そりゃそら、圧迫感はあります。
でも、ちょうど5~6年前に、同じことを考えたとき
こう考え直したのです。
「戦争を知っている人たち、教えてくれる人たちが生きているうちに
どんどんやって、叱って注意してもらって、直してもらって
教えてもらわなければ・・・」
23作品の中から
選んで絞って、全体で70分以内に収まるように
まとめます。
書かれたものは、どれも、すさまじい。
それぞれに、過去への熱い思いと、
未来への願いが込められていますが、
その中から、座員たちが、自分たちのお客様にも見せることを考えて
自分が4か月以上稽古することも考えて、選びます。
まず、23作品も集まったことに感謝。
つらい作業にもかかわらず
がんばって、探してきてくれました。
来週はいよいよ、作品選びです。
こうなると、本(作品)との出会いは縁のような気がします。
そして、取り組む私たち同士も
お互いのまだ見ぬ一面をさらけ出し合う
新たな出会いの場になるような気がします。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2015-01-16 07:07
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