携わって13年になる介助(介護)という仕事。
心身ともにきつい割に、待遇が悪い事業所が多いため
(待遇のよい事業所もある)
3K、5Kといわれ、常に引く手あまたの業種、でも、
反面、携わった人にしかわからない感動があるのも事実。
「生きる」ということと、真正面から向き合える
貴重な仕事の一つなのです。
時に、医療行為のような特殊な技術を必要とされることもありますが
基本的には、日常生活をスムースにおくれるようにサポートする仕事なので、
適性を除けば、誰でも出来うる仕事内容です。
私たちの誰もが介護される可能性と、介護する可能性を持っています。
いつ、家族が倒れるかわかりませんし、
いずれ、自分も、「老化」や「障害」を背負う日が来るでしょう。
先日、「演劇人のためのバリアフリー講座」を開催したときに
当事者を招いて交流してもらったのは
普段の生活の中で、障害者にかかわることがない人が、あまりに多かったからです。
「障害者が劇場に来てくれた時、せめて、アタフタしないようにしたい」
という理由で参加してくださった方もいらっしゃいました。
障害者の、全人口に対する比率は小さいですが、
決して少ないわけではありません。
介助の仕事をはじめたばかりのとき、気が付いたのは
実は自分の身の回りにたくさんの障害者が生活しているということでした。
かかわってみると、街を歩いていて
目に入るようになるのですね。
ぎっくり腰になる前は、接骨医院がまったく目に入らなかったのと、似ています。
そう考えると、真のバリアフリー(心のバリアフリー)を目指すためには、
なるべく小さいころから、障害者に接しておいたほうがいいと思います。
自分の住んでいる街に、障害者がたくさん住んでいることを認識し、
その誰もが、健康で幸せな生活を送る権利を持っているのだと
精神で理解するには、子供の頃からある程度交流する機会を持つことが
必要なのではないでしょうか。
そこで、義務教育の中に、「介助」をいれることを提案したいです。
食べられることの素晴らしさ、
排便できることの幸せ、
眠れること、歩けること、呼吸ができることの大切さを
感じることは、
道徳の時間より、ずっと充実したものになるのではないでしょうか。
私は子供時代、高齢者と暮らすことがありませんでしたが、
従兄弟の家に行ったときに彼が言った言葉をよく覚えています。
「年寄りと暮らすのって大変なんだよ。
でも、わかることがいろいろある。」
そのときに、私は、「自分にはわかっていないことがたくさんあるということだな」と思い、
瞬間、恥ずかしい気持ちになりました。
子どものころから、いろいろな立場の人と触れ合うことができれば
バリアフリーが進むだけでなく、
福祉業界に対するハードルも、若干低くなるのではないでしょうか。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2014-03-23 01:01
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