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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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人の魅力

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発声の訓練は、本当に一生かかってするものなんじゃないかしら・・・
とおもうくらい、私にとって日々の課題。

面白いのは、自分が朗読するときよりも、
人に教えているときのほうがはっと気づくことが多いということ。
今日もそんな出来事がありました。

明日、労働組合がらみのイベントで
関係者の方が井上ひさしさんの「子供に伝えたい日本国憲法」を
読むことになりました。

この本は、絵本のような装丁で、いわさきちひろさんの挿絵が
井上さんの心のこもった言葉に、さらに光を与えている
すばらしい作品です。
井上さんが、ずっと、日本の平和問題や、
広島長崎にこだわって作品を書き続けたその想いが
ダイレクトに飛び込んでくる、そんな本です。

これを読みませんか、と、提案したのは私なのですが
実際に読まれる方は、普段朗読などをなさっていない
中年男女のお二人です。
稽古はたったの2回。
子供向けに書かれているので、内容は難しくないのですが
聞いている人の心の底に、きちんと届くようにするには
どうしたらいいのか・・・・・
技術も、ハートもひっくるめて、対策を練りました。
お二人とも、自分の声で、飾ることなく
真正面から読んでくださいます。

大山さんという女性は、美声ではないですが、
なんだかとてもひきつけるものがあり
これはなんなのだろうと、1回目の稽古から考えていたのですが
今日、はっと気づくことがありました。

彼女は「一生懸命」よんでいるんですね。
これって、逆に言うと、余裕がないみたいなんですが
今回の内容と、彼女の表情と、立ち姿と、
その「一生懸命」が妙に合っているのです。
それで、多少の癖や読み間違いは、気にならなくなってしまう・・・
こんな言い方をすると失礼かもしれませんが、
ふと、小学生に見える瞬間があるんです。
小学生が、両手で教科書をもって、肩に力入れて必死に読んでいるような
そんな空気があるのです。

こりゃあ、大山さんにしかだせない「味」なんじゃないかしら・・・
じゃあ、彼女の読み方を真似したら、だれでもこういう味が出るかというと
決してこうはならないんですよね。
その人の醸し出す魅力って、
年輪とか、美しさとか、表情とか、人生経験とか
いろいろなポイントがあると思うけれど、
たぶん、そういうものが、みんな合わさって、
いいタイミングで表出されるものなんじゃないかなと
感じました。
いい、タイミング!これがまた、自力では難しいのですが。

明日が、いよいよ本番です。
たった1回。
その貴重な1回を、「一生懸命」読んでくだされば
それで、うまくいくんじゃないかな?と、
安心して、帰ってきました。
あした、ほんとうに、うまくいきますように。

~本日のありがとう~
立ち稽古が始まりましたぁ!!
みんながバミリを手伝ってくれて、
ほんと、助かっちゃいました!
みんな!ありがとう!

Trackback(1) Comments(0) by 鯨エマ|2013-10-05 23:11

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