屋久島3日目は、かの有名な白谷雲水峡へ。
8時半発のバスにゆられること30分。
この間、バスの乗客は私だけでした。
さすが、オフシーズン・・・ありがとう、運転手さん。
しっかりと整備された白谷雲水峡の入り口で、スタッフの方に4時間で戻ってこられるコースを
説明してもらいます。
山道は、順路に従って、目印のピンクのリボンがあるのですが
コースによっては、昨日行った縄文杉のほうへ抜けてしまうのです。
一人で歩き出しました。
まずは、滝のように流れの速い川を渡って、森に入ります・・・・
うっそうとしげる森の中、ここから2時間、
人間に会うことがありませんでした。
樹木と、苔と、遠くを流れる水の音のなかに、
ポツンとひとり。
鼻歌でも歌ってみようかと、
何曲か口に出そうとしましたが
どの曲も、あわない・・・・
「言葉」が合わないのです、この場所は。
しいていえば、「ものの~~け~~たち~~だけ~~~♪」
いえいえ、やめましょう、歌は。
そのかわりに、こんな樹が迎えてくれました。
こんな芸術的な形の樹・・・・
東京に住んでいると、
周りにあるものはすべて人為的にデザインされたものばかりです。
でも、ここにみえるものは、
すべて・・・・いわば、神さまが形作ったもの。
整ったものは何もないのに、
全体のバランスが絶妙な、だれにもまねできない色と形なのです。
これは、根っこ。
間をくぐることができます。
雨が降ってくると、しっとりと、
こんな色に変化しました。
鹿が2メートルほどの近さで、濡れた枯葉を食べていました。
ここらへんの鹿は、人間に慣れているのですね。
隆起している根っこ・・・
2時間ほどで、引き返す時間になり、
このころになって、ようやく、観光の人たちとすれ違いました。
なんと、帰りのバスも貸切状態でした。
このひ、私がひとりで白谷雲水峡へ行くと言ったら、
いろいろ教えてくれたのは、民宿の隣の居酒屋のおじさん
この方。
カウンターで隣に座ったおじさんも、観光客ではなく、
この店の常連さんでした。
最終日に、高速船を待つ間に立ちよった喫茶店のマスターも、
私にいろいろお話してくださいました。
この3人に共通していたのが、
「妻と別れて屋久島に移り住んで、今に至る・・・」という履歴。
「ワケありが、多いんよ。」
それぞれに、本州では、仕事で活躍していらっしゃったそうです。
これも、現在の屋久島の一面でしょうか。
海岸線、滝、森、山、・・・・
ひたすら歩き回った3日。
どこを歩いた時も、鼻歌はいらなかった。
言葉も必要最小限で充分だった。
テレビもみない、パソコンはもちろん、携帯も見ていなかったので、
情報も必要最小限。
ふだん、どうやら私はしゃべりすぎているんじゃないかしら、と思いました。
しかし、私は帰るのです、雑踏の中に。
帰ってきちゃった。
屋久島レポートおしまい。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2012-12-18 20:08
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