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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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演劇の力~山形にて~

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演劇ワークショップで、山形へ呼んでいただく。
1日目は、シニアの方への講演。
5月に立ち上げたという、米沢のシニア劇団は、
さっそく11月に公演を控えているそうで
まだ初めてのことばかりの劇団員に、
かんじゅく座のこと、シニア演劇大会のこと、
わたし自身のことなどいろいろとお話した。

2日目は、高校生のワークショップ!
5~6年前に、一度やらせていただいたけど、
日頃若い人たちとの交流が少ないので
やたら不安で・・・
しかも、9時半から16時、というこのタイムスケジュールが微妙。
中途半端なことはしたくないけれど、
仕上げるほどの時間もない・・・。
とりあえず、自由にいろいろなことを
発想してもらえるようなプログラムを用意して、スタート!

今回のWSは、5校くらいの高校の演劇部が集まっているので、
みんなやる気まんまん。
こちらが心配しなくても、どんどん取り組んでくれるし、
私がびっくりするような発想が飛び出す。

もちろん、なかにはおとなしい子、
待ちの姿勢の子もいるけれど、
あどけなさと、大人っぽさを持ち合わせた、この年ごろにしかない
独特の味わいを、みんながもっていた。

午前はいろいろな遊びやトレーニング。
お昼ご飯の時も、話し合いをしてもらい、
午後はそれを基に、寸劇つくり。
天国や地獄、宇宙人がよくでてくるのは、
そういうところに興味があるということなのかな・・・

顧問の河原先生は、もう知り合って何年もたつけれど
井上ひさしさんに演劇を習ったとかで、
その入れ込みようは、半端ない。
高校生の指導、シニアの指導と引っ張りだこだ。
その、河原先生が、駅に送ってくださる車中でおっしゃった。
今の生徒たちは片親の子がとても多いこと、
そして、演劇部が、居場所をなくした子供たちの、よりどころになっていること。
もちろん、生徒たちは、演劇部を「居場所」などとは考えていないと思うし、
それは、演劇でなくてもいいのかもしれない。
でも確実に、演劇だからこそ、迷える若者の力になれることがある。

わたし自身、非常につらい中学高校時代を過ごし
(相対的には恵まれた環境だったと思うけれど、
とっとと死んでしまいたいと、よく考えていたものだった)
演劇部は、なによりの心のよりどころだった。
舞台の上で、人前に自分をさらすというのは、アレ、なんというか、
いろんな意味で、覚悟が決まるのかな・・・・
そして、悲しいことや、つらいことを「忘れたい」と思うのではなく
「忘れるものか」と思うようになる・・・・
べつに、それをすぐに役つくりに利用するわけではないけれど、
結局、舞台に立つって、
日常生活のいろいろな思いを土台にしているから。

演じているのは、私であるような、ないような、
吐いているセリフも、私の言葉であるような、ないような。
そんなボーダーラインにいる。

山形の高校生の親御さんが、こういうのだそうな。
「いま、演劇部をやめたら、この子はおしまいだ」と。
「おしまい」なんてことはないのだろうけど
親にも扱いにくい生徒が、
こうして、自ら自分を見つめざるを得ない場をえらび、
そこに居続けられる・・・演劇部。

山形から帰ってくると、
先日、かんじゅく座を取材してくださった雑誌
PHP「ほんとうの時代」9月号が届いていました。
かんじゅく座の、いいとこばかりがクローズアップされた
ありがたい取材文と写真です。
(写真がめっちゃいい!!!)
シニアにとっても、演劇がブームになり、
その影響の大きさが書かれている。

さて、みなさま・・・・
8月1日、ついにNPO法人の登記が完了し
「シニア演劇ネットワーク」が正式に走り出します。
いままで忙しさを言い訳に
チョボチョボとしかできていなかった、シニア俳優の活躍の場紹介も、
どんどん力を入れてゆくつもりです。
来年の第2回全国シニア演劇大会in南アルプスも、
来月のエントリー締切日にむけ、
準備を進めてゆきます。

演劇が、自己満足的な活動に終わらず
社会に明るい橋をかけてゆけるように、
ひとつひとつの事業を、丁寧に、育て、広げてゆきたいと思います。
このような気持ちに至ったことを考えると、
中学高校時代の、あの絶望的な気持ちも、
重要な通過地点だったと思います。

山形県の高校生、そすてシニア劇団のみなさんの活動を、
心から応援しています。

~本日のありがとう~
山形へ行く新幹線の中に忘れた麦わら帽子、
手続きの末、今日、私の手元に帰ってきました。
送ってくださった山県駅のかた、
ありがとうございました。

Trackback(0) Comments(4) by 鯨エマ|2012-08-11 17:05

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