舞台が跳ねたあとの、爽快感こそ
「ああ、やってよかった」と思う瞬間なのだが
11月の朗読会で、それを味わえなかったことが
かんじゅく座金曜クラスにとっての今年最大の後悔だった。
なんとか挽回したいと思っても、
終わっちまったものは、巻き戻せないのだが
Iちゃんの結婚式2次会で
偶然にK女史に再会したとき、
「うちの高齢者マンションでなにか催しをしなきゃ・・・」と
ぼやいているのを聞きつけた。
「はい、うちやってるけど?」と応えたものの
場所は八王子。
かんじゅく座の普段の活動は新宿なのだが
茨城や横浜から通っている方もいる。
それに、23日という暮れも押し迫った日程・・・・はたしてうちのおじちゃん、おばちゃんが、乗ってくれるだろうかと心配だった。
が、
なんと、手をあげてくださった方13人、
実際に参加可能になった12人で、
八王子の場所にあわせた稽古がはじまった。
なかなか稽古場が確保できず、
これまたジプシーを強いて
衣裳、小道具の運搬から、よく皆さん動いてくださって
ついに、本番を迎えた。
こんなきれいなところで!
主人公のゴーシュと、肝心要の歌を仕切る指揮者が
初めての配役という
博打のような発表だった。
セリフは忘れてもいいから、
とにかく歌をナントカしなきゃとおもっていたので、
私も袖で音楽のオペをしながら
必死でソプラノとアルトを交互に歌っていたため、
はっきりいって全体の出来はわからない。
ところが、静かに見ていた高齢者の方々が
穏やかに微笑んでくださっているのを見て
ほっとした。
私は夜勤があったので、終了してすぐに退散したが
何人かは、やっと美味しいビールが飲めたことだろう。
次の日は今年最終稽古と忘年会。
特別講座として、2クラス合同の稽古場に
オペラ歌手、天野亨さんを招いた。
目や耳の不調、足腰のいたみ、
記憶力の低下を訴える方が多い、わが劇団だが
出来ていたことが出来なくなる、
あったものがなくなる、という喪失感は
まだ私には想像がつかない落ち込みがあるだろう。
そこで、もともと「ない」状態で
音大を目指し、いまも、独自の方法で、全国を歌って歩いている
天野さんのお話を伺いたいと思った。
天野さんの、自虐的に笑えるはなしに、
会場はあっという間にほぐれ、
質問もたくさんとびかった。
忘年会にも主席していただき、
私と共通の歌の先生にもきていただいて
楽しいひと時となった。
この2日間のことを、
夕方、講師の打ち合わせではなすと
ここ4年以上一緒に力をあわせてかんじゅく座を切り盛りしてくれている
ふたりからも、座員の成長振りについて
溢れるように話がひろがった。
今年のかんじゅく座も、大変だった。
たくさんの人が目の前を通り過ぎて行き、
泣いたり笑ったり、いそがしかった。
それでもなんとか、この二人、そして歌の先生に支えていただきながら
最終稽古を終えることが出来た。
これで、年が越せるわ・・・。
そして・・・年末年始は公演の台本書き。
書かねば。
~本日のありがとう~
天野さんのパートナー、クラウス、
今日は一日、いいこだったねえ。
ありがとう。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2010-12-25 11:11
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