竹久夢二美術館へいった帰り
夢二の墓参りをしに、雑司が谷まで足を伸ばす。
ここの墓地は、著名人がたくさん眠っているのだが
時間が限られていたので、夢二の墓へ直行した。
「墓を探す」なんて、久しぶりにした。
恥ずかしい話だが、
さいごに祖先の墓参りをしたのは
25年前になる。
そのあと、友人の墓参り、戦没者の慰霊はしてきたが
「彼岸に墓参り」という習慣のない生活、
菊の花さえ、新鮮だ。
控えめな大きさ。
周りの直方体の墓石に比べ
歪だが、趣のある墓が、夢二の墓だった。
想像とは違ったが、
すぐに「っぽいなあ。」と思った。
夢二が自分の子供にあてて書いた童話を
朗読に使いたいと思って
今回の墓参りにつながった。
彼の童話集の中で
男子生徒が学校の授業をサボる話があるのだが
これは、この年齢でよんでもとっても面白い童話だ。
ああいう、思春期の気持ちを
鮮明に覚えている人がいる。
だれしも、忘れているわけではないのだが、
こうして活字になった他人の表現をよむと
閉じていた引き出しをひっくり返されたような感覚になる。
「いけないこと」「悪いこと」「禁じられていること」は、
後ろめたく、新鮮で、快感で、おそろしかった。
それを、変に理屈をつけたり、正当化したり、
言い訳するのは大人になってからだ。
あのころに受けた教育を思い返すと、
これまたおそろしい。
親、姉、学校の先生の圧力に、言えずにいたことが、たくさんあった。
あのころ、もっと精神的に自由だったら
いま、どんな大人になっていただろう。
時間は前にしか進まないとわかっていながら
私はよく、振り返ってしまう。
夢二は、自分の子供をどんな風に育てたいと思ったのだろう。
子供たちの母親である最初の妻とわかれ、
子供をつれて、次の女、また次の女と、
恋をし続ける、ずっと「男」だった夢二。
今年の夏の・・・・
育児放棄して2人の子供を死なせてしまった母親は
「女」になって、こどもをすててしまった、
あの、大阪の事件をふと思い出す。
数分の墓参り、蚊に襲われて
しんみり浸るどころではなかったのだが
「読ませていただきます」と、ご挨拶。
さて、とりかかりますかね・・・・。
~本日のありがとう~
ついに、ベッドを見送る。
もらってくださったかた、ありがとうございます。
よい方そうで、よかった。
Trackback(0) Comments(4) by 鯨エマ|2010-10-02 23:11
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