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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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十年

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昨年見逃した舞台をやっと今日観にいくことができた。
宮本輝さんの小説「錦繍」を舞台化したものだ。

いままで何人もの人がこの小説の舞台化を考えたが
なかなか実現せず、
昨年、海外の演出家によって、
初めて舞台上に現れたのである。

これは、10年前に離婚したある夫婦の書簡のやり取りだ。

15年前に、これを読んだときの感動が忘れられない。
たしか、著者がこれを書いたのは、30代前半だと思ったが
こんな、感覚をよく分に書き表せるなあと、
ただただ感動したのだた。
内容は、ひたすら、2人の手紙なのだが、
それを、今日の舞台では10名の役者で、演じていた。

10年間の、あわなかった時間を埋める、手紙。
いや、最終的に手紙はもっともっと長い時間を埋めてゆくことになるのだが
希望を残して終わるラストに
小説に負けない説得力を感じて、
もうそのまま熱燗でも飲みたい気分だった。

自分が稽古に突入していて、
毎日のように知人からの芝居のDMが来る昨今、
ムリクリ時間を作ってこの芝居を観たかったのは
2つ理由があった。
ひとつは私自身が、最近、
10年という時間を実感するできごとがあったこと。
早いようで、やはり10年は「ひと昔」だ。
26歳から今までの間には、(誰にとっても激動の年代かもしれないが)
最高の瞬間と最悪の瞬間があった。
いま振り返っても、その瞬間は、まったく風化されることなく蘇る。
1年1年は、あっという間なのだが
10年を思うと、随分長かったような気もする。

もうひとつは
手紙というコミュニケーションに
私がかなり頼って生きているからだ。
大事な話は手紙。
もちろん、会って話すのがベストかもしれないが
ちょっと違うのだ。
かくときも特別だが、
もらうときも特別。

今日の芝居を観た人は、
きっと、帰りに便箋を買って帰ったのではないだろうか・・・

うるうるしながら品川駅の改札を通り
稽古場へ向かった。
さあ、宮本輝から、こんどはストーンズの現場へ!
いそげ!

~本日のありがとう~
芝居には、劇団時代の先輩と後輩も出ていた。
活躍している姿は
勇気をくれるものです。
どうも、ありがとうございました。
I君、どんどん大きくなっていくね。
私もがんばるよ~~~。

Trackback(0) Comments(4) by 鯨エマ|2009-11-05 23:11

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