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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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6月23日

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毎年、この日にどうしても沖縄に行きたいとおもいながら、
もう5年もいっていない。
今日は慰霊の日。
沖縄では、島全体で慰霊祭が行われている。
この日をしったのは、
恥ずかしいことながら2003年だ。
それまでは、8月15日しかしらなかった。
映画「マンゴと黒砂糖」を撮ったとき、
先日逝ってしまった沖縄の宜野座さんが、
私に懇々と、この日について語ってくださった。

県民のほとんどは平和記念公園に集まるが
私は南洋からの帰還者とともに
敷名霊園の慰霊祭に参列した。
宜野座さんが、毎年、若者に語り継ぐために招いていた
チャモロの高校生7人も、
この慰霊祭に出席するのだった。

私は子供の頃、戦争の話をされるのが大嫌いだった。
平和な現代にいる私が、いかにも暢気に生きているような気にさせられる、
だから、とてもいやだった。

しかし、こうして、戦争体験者が年々この世を去り、
決して遠くない時代の真実を、生身の存在から聞けなくなることの危機感を
いまは、ひしひしと感じている。

と、いっているくせに、
私は、仕事を工面して沖縄に行く勇気を持っていない。
毎年そうなのだ。
今年も年明けから「今年こそは慰霊に行こう」と心に決めていた。
それでも、春先に、今日の仕事が決まっていたので、
また、先送りにしてしまった。
ところが、今月はじめ、
私にサイパンや沖縄のことを教えてくださった宜野座さんが
亡くなってしまった。

つくづく、自分の行動が情けない。
宜野座さんは、何があっても毎年慰霊にサイパンとテニアンに行っていた。
なぜ、たかだか数日の予定を空けることができないのか。
時間を作ることが、どんなに大変なことかは、
社会人をやっていれば、誰にでもわかるが
それでも、できないことではなかったはずだ。

私は今日、夜のニュースを観ながら、
やっと、沖縄に思いを飛ばした。
毎年、少なからずニュースになる、6月23日。
私も風化に飲み込まれる一人になってしまっている。
自分なりの表現活動で、宜野座さんの思いを、どうやって
後世に伝えてゆけるのか、
だめもとだけど、考えてゆきたい。
嘆く前にやるべきことはあるだろうと、
宜野座さんからいわれているような・・・・

私たちは、誰かが死なないと、ことの重要性に気がつかない。
まさに、私がそうだった。

~本日の・・・・~
こんなブログを書いている今日、
かつて、大変お世話になった青年座の製作、
Sさんの訃報がとどいた。
先日、赤坂で芝居を観たときに劇場の外で
すれ違ったばかりだった。
今までの感謝を述べる余裕がいまはない。
ただただ、やりきれない。

Trackback(1) Comments(2) by 鯨エマ|2009-06-24 00:12

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