歌のレッスンではミュージカルの曲ばかり歌っていたが、
目指すところへ行くにはどうしたらよいものか・・・
考えあぐねた末、歌の先生に相談すると、
「じゃ、ポップスは?」ということで、なれないポップスの楽譜を探す。
なにをかくそう、カラオケが嫌いなのだから、
この手の曲も苦手。
鼻歌は歌うけれど、とても、聞かせられた代物ではないのだ。
小さな楽器やさんにも、随分と大量にならんでいる、今どきの歌本。
何十分もかけて、歌えそうな歌を探していたが、
これ、というものが見つからない。
仕方なく店を出る。
いつもはかんじゅく座のみなさんに、
「自分に向いていないかどうかはやってみなくちゃわからない!」と
豪語しているのに、ああ、なんと!
たかが、1曲探すのに、
「あれもいや、これもいや」と、
苦手意識むき出しにしているではないの、わたしったら!
家で、今までに使った楽譜を引っ張り出してみる。
そのなかに、今までに使わなかった楽譜がたくさんあった。
これらは、私がうたいたいと思って、コピーしたものの、
練習の機会を逸し、放置していたものだ。
そのなかに、「野生の風」を見つけた。
今井美樹さんの、歌っていた曲。
かなり古いはず。
コピーをとったのも、15年くらい前だろう。
歌詞は、こうはじまる。
「ちょうど破りとられた チケットの文字のように
思い出はもうなにも 約束はしないけど・・・」
この2行に、ぼわっと、包まれた。
べつに、どうということのないことを言っているのかもしれない。
でも、詩は不思議な力を持っている。
いろいろな物語をイメージさせるのに、
ちゃんと、ひとりひとりの心に届く、パワーを持っている。
この詩がたまたま心に響いたのは、
「チケット」という言葉があったからかもしれないけれど
最後まで読み進むと、とても歌ってみたくなった。
しかしなあ・・・・
歌詞の最後に切なげな言葉。
こういうの弱いんだなあ・・・・
なんだか、ないちゃいそうな歌詞だよなあ・・・・
これじゃレッスンにならないかもなあ・・・・。
というわけで、また楽譜探しは振り出しに戻るのだった。
ああ、無情!
~本日のありがとう~
取材してもらいに某新聞社へ。
K記者様、忙しい中、
時間を割いてくださってありがとうございました。
そして、今日稽古場見学に来てくださったAさん、
御足労ありがとうございました。
by 鯨エマ|2009-05-26 02:02
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