芋洗い状態の新宿御苑をあるく。
入場までにディズニーランドさながらの行列を耐え
ぜんぜん先が見渡せないような敷地内を
今年もあの桜を見るべくあるく。
あの桜・・・とは、三色桜。
赤、ピンク、薄ピンクがひとつの木の中で
競い合うように咲き乱れている。
儚さが際立つ桜だが、
この桜だけは力強さを感じる。
子供の頃は、鎌倉の学校に通っていたので
通学路の桜のトンネルを、美しさに酔いながら走り抜けていた。
このトンネルを抜けると、大好きなアヒルのいる鶴岡八幡宮があり、
その先に私の通う小学校があった。
中学はまた別の場所にあったが、校舎の前にはやはり桜が植えられていた。
桜は4月にふさわしい、喜びと希望の花だと思っていた。
ところが古文の授業で桜の「儚さ」「悲しさ」を
S先生が遠い目で語ったことがあった。
桜が咲くと、散ることを思って悲しくなる・・・
この感覚は、中学生の私にはまだわからなかった。
大人になると、こういういろいろな感情がわかるようになるのは
悲しいけれど、嬉しい、変な気分。
今日も、昨年と同じように、三色桜の写真を撮ってみた。
昨年は、介助でここに来たんだっけ。
あのとき一緒に来た方で、いまはもう天国に行ってしまった方もいる。
自分が今年もこうやって桜を眺められることが、
当たり前のことではないような気がした。
また、来年、ここの桜を見に来られるだろうか。
風がふいて、一瞬、花弁が雨のように降り注いだ。
ああ、かなしいなあ・・・・
中学のときに理解に苦しんだあの百人一首を
また読んでみたくなった。
~本日のありがとう~
婦人公論のかたが、かんじゅく座の取材をしてくださった
その掲載雑誌をおくってくださいました。
たまに、私のことは鬼演出家のようにかかれるのだが、
このライターさんは、素敵な文章を書いてくださいました。
ありがとうございました。
by 鯨エマ|2009-04-04 23:11
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