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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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大阪・ゼロ泊三日

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結局、またまた夜行バスになった。
当日の早朝、新幹線で行こうと思っていたのだが
こう毎晩遅いと、早起きできる自信がまったくなかったのだ。
乗ってしまえば、寝ている間に運んでくれる夜行バスは
私の強い見方である。

さて、商店街のはずれに忽然と現れる
この不思議な入口の建物こそ、大阪は九条にある「シネ・ヌーヴォ」。
維新派という、体力勝負のカリスマ劇団が立てたというだけあって、
イマジネーションをかきたてられる、独特の雰囲気を持つミニシアターだ。

この映画館の入口を入って、一番奥の階段を上がると
そこが、まるで、秘密の小部屋のような「シネヌーヴォX」である。
私の映画「つぶより花舞台」は、ここで上映される。
客席は30あまりだろうか。
映画館というより、ホームシアターのような、アットホームは空間だ。

幸い、今朝の毎日新聞でも、先日の読売新聞でも、
写真つきで、かなり大きく記事にしてくださったので
問い合わせも増えてきていると、支配人の山崎さん。
えがったえがった・・・・。

一緒に、舞台挨拶することになっている朝日恵子女史、
早々と映画館に到着なさったようで、
壁に貼られた記事などをよんでいらっしゃった。
「なに喋ります?オーソドックスにいきます?」
緊張していらっしゃるのか、心持早口。
私はいまのかんじゅく座について、割とナマなねたを話すつもりだった。
「じゃあ!私はオーソドックスにいきますね!!」
ドキドキしていらっしゃる朝日女史と
あれこれ、世間話で盛りああっているうちに、もう定刻11時。
山崎さんの誘導で、劇場に入ると・・・あら!!

ちょっと寂しい客席でござんした。

が!まあみなさま、かぶりつきの勢いで、話に耳を傾けてくださり、
おもわず、お茶でも入れたくなるような、
車座になって腹割って話したくなるような、そんな方々・・・・

というわけで、終映後に、御希望者を募って、交流会をすることになった。
山崎さんが、近くの喫茶店の2階をあけてくれるように、
すぐの手配をしてくださる。
ランチの時間だというのに、6名の方が残ってくださった。
それに、朝日女史と私の8名で、ゆるいお茶会が始まった。

はたして・・・・
私がぼけ突っ込みの会話が不得手なことはおいといて、
関西でもかんじゅく座をたちあげよう、見たいな話がもちあがった。
さあ、これはますますお金がかかるぞ。
だが、そこは財布の紐の硬い大阪人の勢いで
「お金かかったら人はあつまりまへん。」(大阪弁で)
・・・ってことは、わたしはまた、夜行バスで通うのか。
前向きに検討しよう、というところでお茶会は終わった。

それにしても、本当にエネルギッシュなオバサマたちで、
私はほとんど圧倒されかかっていたが、そこは、
大阪人の朝日女史のフォローもあって
なんとか、会話の波に飲まれずに、泳ぎきった。
先日、知人に「そこで、つっこまなきゃ!」を連発されたせいで、
少々関西人との会話にシビアになってしまっているかもしれない。
自然にいきましょう、自然に・・・。

最後まで残ってくださった3名のかたと、朝日女史(後列)。

「なにかやりたいのよ!」
「もっと、じぶんのままで、表現できることをやりたいの!」
という皆さんの声を、心に刻みつつ、お開き。

皆さんとお別れして
私は映画館に戻り、昼間のプログラムを見る。
ちょうど、同じ映画を観に来ていた初老の男性が
棚に並んでいた私の前作「マンゴと黒砂糖」のDVDをみて
きいていらっしゃった。
「これは大宜味さんが出ているものですか?」
「はい、インタビューはありませんが、
一緒にサイパンの旅行をしていらっしゃる姿が映っています。」
「あの方は先日なくなったんですよ。」

「マンゴと黒砂糖」は、沖縄に住む引揚者150人をはじめ、
たくさんの高齢者に取材した戦時下の友情を題材にした
ドキュメンタリーだった。
撮影のあと、何人もの方が亡くなったときいている。
みなさん高齢だから、仕方ないかもしれないが
人とのかかわり、縁を、大事にしなければならないと
つくづく感じる。
誰かがなくなったと聞いて、それを痛感するのは遅すぎるのだが
ほんとうに、生きているときに気づけることって少ない。

作品は、それをつくっているときにかかわった人だけでなく、
観る人ともかかわりができる。
舞台とちがって映像は、私の知らないところでも
観ている人、かかわりのできる人が出てくる。
そう考えると、どこまでも、作品には責任を持たなければと思うが、
次の作品にとりかかると、ついつい、前の作品が今どうなっているのか、
忘れてしまう。
せめて、一期一会、今目の前にいる人たちと、
真剣に、素直に話をできればと思う。

~本日のありがとう~
大阪上映について、ほんとうに手を尽くしてくださった朝日女史、
ありがとうございました。
取り上げてくださった新聞社の方々、ありがとうございました。
そして、映画館のスタッフの皆様、ありがとうございました。
明日からも宜しくお願いいたします。

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2009-03-01 07:07

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