試写会に足を運んでくださった、演劇評論家の山田ちよ女史に
メールでお礼を申し上げたところ、
御質問の返信メールをいただき、
いわゆる「裏話」的内容だが、
私もこのかたには、いろいろ話を聴いていただきたく
(というのも、本当に長いこと、作品を観てくださっているから)
ありのままの稽古場状況、編集状況などをしたためた。
そういえば・・・
編集が終わったとき、
私はあまりの充実感のなさに唖然としたんだっけ。
芝居では作演出、両方やるのが常なわたしには、
編集を誰かに託すという状態が
「不完全燃焼」という形で心の中に渦巻いていた。
始めから他人の手にゆだようと
決めていたにもかかわらず、
やはり反抗心が、しかし、
自分には力及ばないことがわかっているため、
悔しさ半分というところで、「不完全燃焼」だった。
そんな経緯と、撮影中の予想外の展開について
書きながら、となりにある印刷機にチラシを差し込んでゆく。
思った以上に、自宅印刷は大変。
まだ3000枚。
あと12000枚!!
早く印刷して、映画館に届けなければならない。
やはり、印刷やさんを使うべきだったか・・・いやいや!
インク買っちゃったんだから、今さら何いってんの!
しかし、紙詰まりは滅入る・・・・・
その合間に、稽古場確保の電話をかけたり、受けたり。
手紙を書いたり。
気がついたら、山田女史あてのメールは、膨大な長さになっていた。
しかし、かき終わってみると、
あの編集作業が映画つくりのほんの1部だったのだと感じられる。
出来上がってからが、また山なのだ。
わかっていたはずが、ここのところ、あけても暮れても
映画のことばかりやっているので
1年前の編集&追加撮影のことが・・・・おお!
そうか、あれから1年たってしまったのか!
なにかと、ご指南くださっているK氏がいってたけど、
「上映してから映画はまた、歩き始めるから。
自分の思わぬ方向に、すすんでゆくから。」
ちょうど、完成したときにかけられた言葉だった。
出来上がったものに、自分で作ったという実感を持てずにいたときだった。
これからどうやってこの作品を発表してゆけばいいだろうと
真っ白な地図の上に立ち尽くしていたときだった。
地図を探す間もなく、目の前に
具体的なことが積み重ねられてゆく。
やらなければならないことというのは
実に事務的なことが多く
日付とにらめっこしながら、
いつまでにこれ、いつまでにこれとこれ、
という具合に、時間で進んでゆく。
もどかしいのは、その手ごたえと結果が
最後まで、つまり劇場に入るまでほとんど分からないということだ。
しかし、舟は港を出てしまったので
たとえ、自家製イカダとはいえ、
こがなければ進まない。
はい、まだ波打ち際です。
いざゆかん!
~本日のありがとう~
前作「マンゴと黒砂糖」で、大変お世話になったS先生、
展覧会のご案内ありがとうございました。
なのに、いけなくて本当にすみませんでした。
by 鯨エマ|2008-11-17 17:05
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