連休中に、高校演劇コンクールの地区予選、
山手城南地区を見学にいく。
今月末から来月末にかけて、神奈川県と山形県で、
審査員をすることになっているので
その勉強のため、というわけだ。
「あら、勉強熱心ですね。」
なんて、会場でばったり会った知人にいわれたが、
いえいえ、不安だからなんだって。
何が不安といえば
自分が(この経験の浅い私が)適切な審査をできるかどうか。
そしてなによりも、
1日に5本~7本近い芝居をみる集中力があるかどうか。
私の悪い癖で、たまに頭がワープしてしまう、
あるいは、狭い劇場ないの二酸化炭素に負けて
睡魔が襲ってくる・・・
あの瞬間が怖い。
果して、55分という持ち時間を最大限に駆使した
現代の高校生の表現は
1本目から最後の作品、そして講評まで
眠くなるどころか、
脳みそフル回転で観ることができた。
未ながら、私も自分で審査するつもりで
コメントを書いてみる。
「どんなことを言おうか」というよりも
「こんなにたくさんのことを、高校生にどうやって伝えようか。」
そこが難しそうだ。
素晴らしい作品がたくさんあった。
面白いか、面白くないかははっきりしていた。
もちろん私の好みも左右しているだろう。
高校生の発表を見ていると、練習風景まで目に浮かぶ。
私自身、高校演劇コンクールを当事者として体験した。
その視点からいえば、
全員が作品を理解し、練習を重ねているかどうかが、
こんなにも如実に舞台上に現れるのかと
怖い気がした。
そして、それはきっと、今も同じなのかもしれない。
観客は見てしまうし、感じてしまう。
さすがに、全作品見終わって、講評を聞くと
脳みそは疲れていた。
それでも、そのあと、ワークショップの研究会があるというので
駒場東大前にあるとある稽古場に足を向ける。
昔、利賀という富山県の演劇村で研修を受けたときに会った
K氏が中心になって、
小学生高学年向けのワークショップをシュミレーションする。
それを受けてみて、もっとこうしたら?ああしたら?
という座談会をするというもの。
私自身、高校生のワークショップをやったり
かんじゅく座での指導をしているので
とても興味深く体験した。
昼間の高校演劇コンクールから続けてこの研究会。
指導者の責任を痛感した。
芝居を好きになるも嫌いになるも、
最初の観劇体験、演技体験が大きく左右する。
私の演劇部時代は中学生にさかのぼるが、
当時の顧問だった野口先生は
なんと今でも私の舞台を見に来てくださる。
あの頃と同じ、ぴんと背筋を張った歩き方で
会場までやってくる。
さすがに最近は、夜公演ではなく昼公演にいらっしゃるが
こんなに嬉しいことはない。
野口先生も定年後にご自身でたくさん戯曲をかきためていらっしゃる。
実際に指導していたのは、高校2年の先輩だった。
(中学高校一貫教育だった。)
あのころに、高校演劇に出場するべく猛練習していた
先輩たちを、放課後に毎日見学していた。
早く高校生になって、学校の講堂じゃないところで芝居がしてみたい!
セリフは全部覚えて、同級生と練習しながら、帰っていた。
時代は、「ガラスの仮面」全盛期ということもあり、
盛り上がる気持ちはとどまるところを知らず、
電車の中でもバスの中でも、ところかまわずセリフを繰り返していた。
野口先生、先輩方、同級生、そして後輩、
あの頃の演劇体験が、ここまで、
こういう形になって続くとは思っていなかったが
回顧すればするほど
いい加減に審査員はできないと
背筋がのびる。
25日から始まる神奈川県地区予選、
ちゃんとやらなきゃ。
~本日のありがとう~
あらためて、野口先生、いつもありがとう。
これからも観に来てください。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2008-10-15 10:10
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