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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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久しぶりに介助の職場に復帰。
あっという間に手荒れ。
3週間のお休みの間に、すっかり私の手は
ヤワになってしまったのか・・・。

考えてみれば、喉と同様、私は手をずいぶん酷使してきた。
子どものころはアカギレにあこがれる変な子供で
わざと、水に漬けて風になびかせて、手荒れを作っていた。
それが災いし、以来、手荒れ体質に。

飲食店に勤めていたころは、洗剤や消毒液との戦いだった。
ついにゴジラのような手になり、
医者からステロイドを処方されるようになってから、
ようやく足を洗った。
この、10年以上の飲食店労働が
今の私の手の形を作ってしまった。
なんだか、節くれだった、無骨な手である。
かわいげがない。
自転車のハンドルを握り締めているので、
手のひらも硬く、指輪やマニキュアが似合わない。
目をつぶって握手したら、多分女とは思われないだろう。
いま、オーディションで「手を見せてください。」
と「オデコ見せてください」は、不吉な知らせである。

指輪やマニキュアをしないのは、介助という仕事のせいもあるけれど
先日、かんじゅくざのメンバーの方から
「もう少しおしゃれにしてください」と、
ネックレスをプレゼントされたときには面食らった。
私なりに気をつけているつもりでも、
やはりガサツな女に見えてしまうのだろう。
いかん・・・。

子どものころ、家においてあった千葉敦子さんの本を読んだ。
ジャーナリストとしていつも忙しく動き回っていた彼女は、
最後までおしゃれ心を忘れない女性だった。
病床においても、身の回りの持ち物などに気を配る清潔感のある女性だった。
・・・というような記憶がある。
当時の私は、なんで、病気になってまで・・・という疑問符しかもてなかった。
これが今は分かる。
分かるのに、実行できない。
「時間がない」は言い訳にならない。

残念ながら、私の手はもう元通りにはならないだろうけど
さいごまで「きれい」に対する執着はわすれずにいたいと思う。

by 鯨エマ|2008-07-31 10:10

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