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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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感無量

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劇団青年座の芝居「評決」(再演)を観にいく。
いつも海千山千に出演してもらっている名取氏が出演なさっていることもあり
前々から楽しみにしていた。

じつは、この芝居は私が青年座の芝居を観た最初の作品だ。
初演が1990年というから、私は当時17歳だ。
どこの劇団に行こうかと、学校の帰りに
制服に学生カバンで、都内まで出てきて
観劇しまくっていた時期。
あのときの感激が、未だ忘れられない。
しかし、私は芝居を勉強する場として青年座を選ばず
学費の多少安い劇団昴の養成所を選んだ。
もちろん、昴の芝居も好きだったが、やはりお金の問題は大きかった。
そして、3年後・・・・

劇団昴の養成所にいながら、やはり青年座の芝居が忘れられず
青年座準劇団員のオーディションを受けに行ったのだった。
果たして、入団したものの、6年半で退団した。

もちろん、い続けることもできたかもしれないが
6年居ても入ってゆけないなにか、バリアを感じていた。
一番のバリアは、私の力不足だった。
稽古場で、私は全然、先輩たちについてゆけなかった。
ついてゆけないなら、それなりに、若さで押し切ればよかったのかもしれないが
逆に卑屈に走ってしまっていたように思う。
ただ、退団後、自分で小劇場とテレビを平行してはじめ、
さらに自分で本を書くようになって、ようやく、
青年座で注意されていたことがわかってきた。
随分長くかかってしまった。

芝居を観にいって、久しぶりに劇団の門をくぐるのは
なんとも気恥ずかしい。
情けない身なり、顔つきで行ってはいけないと
背筋を正す。

いろいろ思い出すと、
もちろん退団するに至る6年の間には辛いこともたくさんあったわけで、
芝居を見ながら、脳裏に蘇る様々な思い出を重ね合わせた。
同時に、1人の観客として今日は随分笑った。
やめたばかりのころはこうして芝居を見に来ることもできなかったが
笑えたというのは、ようやく自分の選んだ選択について、
余裕を持って考えられるようになったのかもしれない。
これも、随分長くかかったもんだ。

青年座の先輩は、やはりステキな人ばかりだった。
私がいま、芝居を続けているのは
彼らが私に、芝居の魅力を、嫌というほど見せ付けてくれたからだ。
その先輩たちの頂点には、今は亡き、森塚座長がいるわけで・・・
先輩たちに、心から感謝。
これからも、勉強させてください。

by 鯨エマ|2008-05-20 23:11

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