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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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命のお洗濯

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書かなければならない台本が2つも迫っているというのに、
私は暢気にも、否、決して暢気なわけではなく
ここはひとつ、キレイな空気を吸って
アレですよ、アレ、そう!
命の洗濯をしなければと、那須高原までバッハを聞きに・・・。

先日、飲み屋のカウンターで、隣に座った、うら若からぬ女性から誘われて
乗り物酔いに怯えながら参加した「高原バッハを聞く」会。
歌舞伎町からバスで出発し、漠睡する間に肌寒い那須へつく。

高原に寝転びながらどこからともなく聞こえてくるバッハの音色を
イメージしていたが、当然そんなはずはなく、しかし、これがまた
すんばらしく趣のあるホールでの贅沢なひと時だった。
じつは、私が期待していたのはバッハではなく、
第2部でレパートリーに上がっていたクライスラーだった。
「愛の悲しみ」は、私もギター編曲をつくって
ずうずうしくも歌詞まで勝手につけて愛唱していた。

ところがなにより感動したのは、
クライスラーのあとに演奏されたドビュッシー「月の光」だった。
何度も何度も聴いたこの曲も
演奏家によって、そして、演奏家の姿を見ることによって
こんなにも伝わり方が違うのか。
真昼間だったのに、頭上にはほんとうに、月の光が見えたのだから!!
夜の宴の席で、演奏した上尾直子さんに、おもわず話しかけてしまった。
(そう、この会の目的は、半分はこの宴・・・)
何度も聞いた曲の、また新たな一面を発見できるのは
音楽の底なし沼に引きずり込まれるようで
なんとも心地が良かった。

最近、ことにアルコールが体に馴染まなくなってしまった私は
夜の宴では、グラスに2~3杯のビールで早くも限界に達し
それでも頑張って8種類のお風呂に入って
初対面のお姉さんたちと三人一緒の部屋で、眠りの淵に落ちた・・・

おきてまた、お風呂に行く。
(どこまでも元を取ろうというケチな根性が
低血圧で長風呂ができないというリスクを忘れさせる)
そういえば、昨日の宴で食っちゃべった同室のお姉さんは
手相占い師だと聞いたような・・・。
バスが来るまでの時間、「お願いします」と見てもらう。
過去に、私の手相を観た人はみな、一様に「大変ですねえ・・・」
と、溜息混じりに言って、すぐに終わってしまうのだが
(「なにが?何が大変なの?!」と、聞く余地もない)
彼女は丹念に虫眼鏡で見てくださった。
おっしゃることが言い得て妙。
最後に、
「随分たくさんのワラジを履いているのね。」
ええ、広く浅いのです。
「しばらくはそうやって行くんじゃないの」
それで、いいんだと。
それで、飽くまでやるのだと、
まあ、そういうことだろうか。

期待していた桜はほとんど散ってしまっていたが、
朝、散歩すると、桜を散りばめた温泉街が
どことなく、なつかしい景色に見えた。

10時に宿を出て、晴れ渡る高速を走った。
インターには大きな鯉のぼりが泳いでいた。
命の洗濯、ここで、天日に照らされて、仕上がり!

さあ!帰ろう!

by 鯨エマ|2008-04-28 13:01

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