朝から忘れ物を3つも。
まずひとつは、貸してもらったCDを
その人の家に忘れてきてしまう。
柄にもなく、平井堅なんぞ、聞いてみようと思ったのだ。
帰り道で気がつき、ああ・・・!
ふたつめ、知人に社員販売で買っておいてもらった
目覚まし時計。
先日寝坊をしてしまったので、戒めのために
カミナリ級のものを購入。
明日の稽古に備え、しっかりセットしようと思ったら
これまた、その方の家に忘れてきた・・・ああ!
極め付け・・・22時からの友人宅で音楽の打ち合わせに、
大事なビデオテープを持参するところ
もってゆくのを忘れた・・・あああああ!
もう、「あたしなんか、ゴミ箱に捨ててしまえ!」
というくらいダメダメの1日。
ビデオテープを忘れては、作業に差し支えるというので、
友人のダンナの運転で、うちまで取りにきてもらった。
久々に助手席に座る。
そういえば、私は運転が好きだった。
教習所で、意外にもハンドルを握る快感を知った。
自分でも、知らない私の発見だった。
が、信号を見る習慣がない、という致命的な悪癖のせいで、
免許取得までに半年以上を要した。
それが、26歳のとき。
その後、35歳のいままで、運転は2回しかしていない。
助手席で、友人&ダンナと喋りながら、
むかしむかし、近所のオバサンに
ドライブに連れて行ってもらったことを思い出していた。
子どものいないそのオバサンは、私をよく、いろいろな所に連れて行ってくれた。
当時、茶色く髪を染めた彼女が真っ赤な車に乗る姿は
とても楽しそうな大人の世界を連想させた。
オバサンは、夜22時になると、旦那さんを駅までお迎えにいっていた。
ベッドの中にいる私の耳に、エンジンの音が響く。
毎晩迎えに行くなんて、すごく仲がいいんだなあとおもっていた。
わが家は両親が大変仲が悪く、夫婦とはそういうもんだと
おもっていたので、このオバサン夫婦が仲良く喋っている姿が
不思議で、だけどあこがれだった。
まもなく、うちの親の離婚で
私はこの土地をコソコソと逃げるように去ることになる。
コソコソ・・・まさに、そういう引越しだった。
それで、オバサンとのドライブも終わってしまった。
最後、お世話になった彼女にどんな風に挨拶をしてわかれたかを
私はまったく覚えていない。
何年か前、このオバサンは、旦那さんを残してなくなってしまった。
なにが幸せなんだか、よくわからないけれど、
今日、忘れ物をしたバカな私を車で送ってくれた
友人夫婦に、
いつまでも仲良く幸せでいてほしいなあと思った。
by 鯨エマ|2008-03-28 02:02
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