私が昔、そう、もう17年ほど前に通っていた演劇学校が
昨年、いったん終止符を打ち、名前を変えて再出発を果たした。
そこの生徒さんの発表を観にいく。
わたしのころとは雲泥の差で
あ、それは学校そのものだけではなく、生徒の質もだけど
2時間10分の芝居を見ながら、
過去の自分を照らし合わせてしまった。
あのころは何にもわかっていなかった。
いったい、何を考えながら芝居をやっていたんだろう。
思い出すだけで恥ずかしい。
先生に言った意見1つとっても、
なんと、無防備だったことか。
なんか、そう思うと、入り口で渡された
今の生徒さんたちの評価表に、何もかけないというか
「今はわかんなくってとうぜんだもんねえ・・・」と
筆が止まってしまう。
結局懇意にしている先生にお手紙を添えて
この評価表をあとから提出させていただくことに。
ちゃんと、考えて、書きます・・・。
さて、夜は日暮里へ。
昨年の夏、お世話になった通訳さんT女史がライブをするという。
あのときは、「芝居のことを良く知っている通訳さん」としか
考えていなかったが、先日「ライブやります!」のメールを下さって
「えええっ?唄うの?」
みたいな。
小さなライブハウス(Bar)だったので、10人満たないようなお客さんでも
満席になったような印象があった。
いつもはもっとごった返すのだそうだが
強風で電車が止まったりで、こじんまりと。
おかげで初対面の方たちと少し話ができた。
彼女がNYで演劇を学んでいたというのは、このとき初めて聞いたが
お客さんたちもNYの方が数名。
そして、NYに8年暮らしたという青年など。
彼はいま、帝国劇場で夏から始まる「ミスサイゴン」のリハに入っているという。
夏なのに、いまから?
さすが、大御所たちのミュージカルは違うなあ・・・。
頂いた見開きの立派なチラシ、
うらには、本多美奈子さんだろうか、あえてそうは書いていないけど、
前のステージの写真が小さく、のせてある。
彼女のやった役を多くの新しい女優たちがまた演じてゆくのだ。
今年こそは観にいきたい。
キャバレーというライブのタイトルは
T女史がつけたもので、歌詞にこだわったライブをしているという。
英語の歌ばかりだが、直訳ではなく、わかりやすい訳をつけて歌う。
いままで聞いたことのある曲も、ああ、こんな意味だったんだ・・・
と再発見できる、ライブだった。
NY関係の人たちにかこまれ、
私こそ、NY出身なのだから英語でペラペラ喋れれば
さらに楽しい時間をすごせただろうに、
そうはいかず、もどかしい思いをした。
言葉の力はすごい。
言葉が使えないときのコミュニケーション手段を
私はまだみつけられない。
風邪気味なので、みなさんより早く店を出た。
そうだ、10年以上前は、本気でNY進出を考え
英訳した自分の台本をあっちの劇場に持ち込んでいたっけ。
いま、私はぜんぜん違う方向へ歩いてきてしまった。
演劇というところだけは変わらないけれど。
これからも、あのときの勢いだけは失いたくない。
プラス分別があればいのだけれど・・・。
by 鯨エマ|2008-02-24 10:10
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