小劇場演劇お助けサイト、fringeが主宰する会合へ。
題目は「地方を超える制作者」。
北は札幌から南は福岡まで、各地域の劇団や演劇製作の方が
体験談を話しながら相談にのってくださるという、
なかなか貴重なチャンスだった。
かつて、海千山千も
呼ばれてもいない旅公演をやったことがある。
呼ばれてもいない・・・というのは、
普通、ある程度の規模の劇団が地方公演をするには、
各地の演劇鑑賞会や学校などの団体客が企画して
呼んでもらう(買い取ってもらう)のが普通。
そうでもしないと集客は見込めないし、
結果、大赤字で終わることになる。
その、私が失敗してしまった旅公演というのは、富山。
当時、チューリップテレビで体当たりレポーターを
やらせていただいていたのをいいことに、
きっとテレビで宣伝すれば、
たくさんの人が見に来てくれるはず!という
あま~~い目論見で敢行したが、散々な結果だった。
2日間の公演で3回のステージ。
平日昼間なんか、舞台に乗っている出演者のほうが
多いんじゃないだろうか、と思うくらいの観客数で、
しかもその大半は私たちが泊まっているホテルの従業員だった。
その日はホテルに帰るのが本当に恥ずかしかった。
駅前の素晴らしい小劇場で、
雑誌にも載せてもらった、新聞にも載った、
テレビでも、ビラまきも、
そして店という店にポスターを貼りまくった・・・・
が、盲点がひとつ。
「駐車場がないからね~~。」
そういう判断基準で映画や芝居を見に行くのかと、
本当に東京と地方の違いを思い知らされた。
多分それだけじゃなくて、有名な役者が出ていない、
小劇場に行く習慣がないなど理由は多々あったのだろう。
結果、赤字は200万を超えた。
これは今までの最高記録、じゃなくて、最低記録。
あの金額を1年以内に返して、
私もクソ度胸がついてしまったわけだけど・・・。
さて、今考えているのは「かんじゅく座」の地方公演。
動機は「なにか、ワクワクすることをしたい」
というだけのこと。
旅公演などやったことのないみなさんと、
どこに行くことができるのか、体力、財力、忍耐力、
すべてを駆使して計画しても、果たしてみなさん、
賛同してくださるのか?
否、芝居をできれば、別に地方に行く必要なんか
ないのかもしれない。
でも、でもですよ、
かんじゅく座の目的は、演劇で元気になること、
演劇を楽しくやること、なのですよ。
営利とか、地位確立が目的ではないのです。
旅して芝居打って、そこの人たちと交流して
美味しいもの食べて帰ってくる。
そう、私が劇団をやめて失ってしまった
大きな楽しの1つがこれなのです。
行くなら思い切って北海道か?
それとも無難に地続きの名古屋か?
故郷のある人がいる九州か?
それともあまり皆が行こうとしない、あそこか?
広島の劇場職員のかたに相談しながら、
お土産のもみじ饅頭をいただいた。
なーんと、りんごジャムがはいった、もみじ饅頭。
ほらね、ここでももう新たな発見があるでしょ。
だから、地方へ行こう!
by 鯨エマ|2008-01-28 12:12
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