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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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缶きり

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出演者の一人から呼び出しをうけ、
稽古時間より早めに現場に入る。
なんでも、私のダメダシがうまくうけとめられず、
がんじがらめになってしまうので
今日は、自分のすきなようにやってみたいとのこと。
そうか、そうか、
少々責任を感じながら、全日稽古にはいるまで、
私もダメダシを控えると約束をした。
演技にきまった方法はない・・・というか、
方法は自分でしか、編み出せないということは
私もわかっているつもりで、
なによりも、役者が板の上で生き生きと演じてほしい。
と、思うと同時に、
「この作品」をやるためのプロデュース公演なのだから、
なんとか、自分の思う方向に、進ませたいという思い、
でもここは、彼なりに勇気を振り絞っての提案だから、
私も受け入れたいと思った。

はたして、彼の演技は生き生きとしていた。
私の目指すところとは、そうとう違うキャラクターを演じているし、
芝居もデカスギ・・・・でも、生き生きしていた。
私は、なぜに、彼を萎縮させてしまっていたのか。
「好きにいろいろやってみて」
と、再三言っていたにもかかわらず、
彼がそうできなかったのはなぜだろう。
ほかにも、そういう役者がいるんじゃないだろうか。
やりたいことができないでいる役者が、いるんじゃないだろうか。
我慢している役者、いないだろうか。

今日は彼の演技を見ていて、言いたいことがいっぱいあった。
それを、全部我慢してみた。
そして、自分が初舞台のときの稽古を思い出した。
あのときは、本当につまらなかった。
演出家の言っていることがまったくわからなくて、
なにかに体を捕らえられているようで
毎晩帰ってから泣いて、稽古に行くのが恐かった。
あんなふうに、なってほしくないから、
役者には、もっと、創る現場を楽しんでほしいから、
と本当に思っているんだけど・・・・。
あした、もう一度しっかりと彼の演技をみてみようと思う。

写真は、主役の雅子を演じている夕佳さんがくれた缶きり。
私が缶切りをもっていなくて、せっかく買ったホワイトアスパラの
缶詰が食べられないとぼやいていたら、かってくれました。
34歳になってもまだこんな女です。

心のふたを開ける缶きりが、ほしい・・・・。

» Tags:演劇,

by 鯨エマ|2007-11-21 16:04

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