「ゆたり」ゆとりと情緒に満ちた暮らしのエスプリ

薄葉沢の滝群再訪（前）

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長靴を履いて再度、薄葉沢の滝を訪ねた。
林道を初老の男性がゆっくり歩いていくのを後からついていく。こんなところでいったい何をしているのか。怪しい…（こちらだって十分怪しいのだが）。きけば散歩だという。こんな寂しいところを…（いま考えると、地主さんだったのかもしれない。上で作業しているのも知ってたし）。
林に囲まれた山道は暗い。たとえ集落からそれほど離れていないにしても、人と出会い声を交わすのは励ましになるというもの。

穏やかな流れは前の日の大雨によって、なかなか渡渉の厳しい沢に変貌していた。先日塩の草滝の手前で高巻きをした箇所を、今日は沢を突っ切っていくことにするも、水かさが明らかに増していてしかも流れは強い。ざばばば、と激しい音を立てて水を裂き、三脚を杖にして踏ん張る。幾らなんでも濡れるだけで、溺れ死ぬなんてことは無いのだけど、風邪なんか引きたくないし濡れたくないので必死だ。中腰のまま流れを窺い、岸へにじり寄る。
　
今日の塩の草滝はやはり水量が多かった。どばばば、と二又に分かれた水が勢いよく流れ落ちている。
　　
すぐ上流の薬研の滝へ。今日は沢に入り正面から見据える。
激しい水流のせいで水飛沫が飛んでくるのだけど、濡れるという感じがしない。
飛沫が細かすぎるのだろう、光に当たってきらきら輝きながら舞いながら、ぼくの体をすりぬけていく。
マイナスイオンを浴びているみたいで、非常に気持ちよかった。
←写真を縮小して眺めたときに気づいたんですが、滝真ん中に女性らしき顔が見えません？ちょうど分かれた滝から覗かせるように……気にしない、気にしない…

　
薬研の滝の岩場を登ってさあ次の滝へ、と思っていたら、どう見ても先へ進めない。おかしいな…と山の斜面を見ると、上方に道があるじゃないか。そこで、高巻きのルートから上に登っていく小道があったのを思い出した。
そうか、あっちが正規のルートなのか！と気づき急いで来た道を引き返しのだが、濡れた石に長靴が滑って尻から思いっきり落ちてしまった。
　
ツルッ
どしん！
　
こんなに思いっきりコケるのは久しぶりで、一瞬、脚が動かなくなったと思った。頭の中がパニックになりましたね。山の中で遭難する人の気分がほんの少しだけわかった気がした。ちょうど尾骨をしたたか打って、痛くてたまらなかった（１ヶ月経つけどまだ痛い。昔、走り高跳びでやはりしたたか打った古傷がじんじんと痛むのだ）。
　

幸い痛いだけで何とも無いようだ。とはいえじんじんする尻を押さえながら、山の斜面についた小道を辿って上の道に出た。
すると、先ほどの看板がある分岐から登ってくる道だということが判明。ぼくは無駄な努力をして奮闘していたわけだ（滝を間近で見るためには必要な努力だったけど）。まったく、尻のぶつけ損じゃないか…。
　

↑これが分岐点。右上が正規のルートで、下は塩の草・薬研の滝までのアプローチ道。正規ルートからはこのふたつの滝は上から眺めることになり、近づくことはできない。
　　
　　
薬研の滝から振り返ると光が差している。
美しい光だ。そしてこの後尻から落ちる

　
　
というわけで、尻を強打したためにモチベーションが著しく低下、いよいよ滝群を順次辿っていく段になっておざなりになっちゃうんですが、次回残りの滝紹介となります。
　　
気をつけろ　安い長靴　濡れた石
　　
　
スパイク付きの長靴買おー…渓流シューズ欲しいなあ。
　　
　　
　　

↑最近の収穫といえばLuiz Ecaの「Piano E Cordas」。しかし「海と大地に出会った男」を聴きたくて買ったのだが何故か入ってない。調べてみるとこちらはvol.1で、vol.2に所収とのことだった。あちゃ失敗。しかし豊潤なストリングスは過度な甘さに陥る直前に、ビターな芳香できりりと心を締めつけるというつまりはブラジル音楽の豊かな稔りを表現しえているルイス・エサの、名盤に違いない。vol.2は何だか入手が難しそうだけど、絶対手に入れたいの。でも本当の収穫はcapsuleえっ！？やっぱり！？こんなにカッコよかったの？しかしそれは次回。今年もこんな調子でホントすいませんって感じなんですが、マイペースでやっていきますのでよろしくお願いいたします
　　

» Tags：滝, 茨城北部,

Trackback(0) Comments(3) by 雨｜2009-01-07 23:11