鳥貝川と阿武隈川との出合いを起点として、「一休みの滝」と「夫婦の滝」、さらに上流に「おろちが滝」がある。これらは遊歩道で結ばれていて、夫婦滝からちょっと歩けばすぐにおろちが滝が見えてくる。
何となく図に描いてみると、こんな感じ。
鳥貝川最下流の一休みの滝までは整備されているとはいえ悪路を結構下りていくんだね。比して夫婦滝は展望台までの鉄梯子をちょっと降りるだけ(でもそれにしてもシニア向けのつくりではない;手足を滑らせたらかすり傷では済まない)。おろちが滝に至ってはちょっと下り坂を進めばすぐに見えてくるわけっす。
ここの滝はどれも、これが源流というべきか、水量が多い。とくにこの「おろちが滝」はその名の通り流れが細くまとまって、凄い迫力でもって岩肌を落ちていく。落差ほど無いものの、一番印象深い滝となった。
きゅっと締まった流れは細く岩肌を抜け、その姿はまるでおろち。苔むした岩の上に立ち、しばらく眺める
容赦なく岩肌を打擲する。深く抉られた滝口には近づいたら即座に巻き込まれてしまいそうで怖い
さらに別のルートから上流を辿っていくと「熊のすべり台」という滝がある。なだらかな岩肌を滑るように落ちていくその滝はまさしく熊のすべり台というべき広さと大きさを持っていて、水流そのものの迫力はさほどではないけれど全体のスケールが凄い。木々がせり出していてよく見えず、時間も無かったので写真を撮らずに引き返してしまったけれど、紅葉の季節にはたまらない滝であろう。
帰りに、気になっていた渓谷入り口の売店「カルミヤ」に車を停める。何となく近づいてみると、マイクで「日本一美味しいソフトクリームが売っているのはここで~す」というアナウンスが。ピンポイントでぼくに向けられたのだった。ソフトクリームには目がないので恥ずかしながらふらふら寄ってみると、ここの主人がまた喋ること喋ること!確かにソフトクリームは美味しかったのだが店内に入ってもそのトークは尽きることなく、どんどんお土産の試食を冷蔵庫から出してはつまようじをぽんぽんと手渡し、話術ともどもぼくを引き込んでいく。
何でもだいぶ昔に当時としては騒がれた「トリカブト殺人事件」とゆかりのあるお店だそうで…詳しくはご当地へ行って確かめてください。面白い場所には面白いことが起こるものだ…としみじみ思わざるを得ない。
とにかく間髪入れずのオヤジギャグもとい、爆笑トークで楽しいひとときを過ごせること請け合い。…何とも不思議な店である。
(半分乗せられてまあただ何となく買うよりかこういう愉快珍妙なおじさんのとこで買うなら土産話にもなるだろうしまあ良いだろう、と思って買ったお土産がこれが美味しいの!とくにちびきゅうりをにんにくで和えたやつはホント美味しくて、時間があれば今夏中にもっかい行きたいくらい。他でも「ここでしか手に入らない(店主談・ホンマかいな)」食品など、実力揃いのお土産品がずらりと並んでいる)
ご主人からいろいろとお話を伺い、店のすぐ先に架かる「雪割橋」は冬が見頃だという。なるほど切り立った崖に架かる雪割橋の流麗な姿。ポスターが貼ってある。貪欲な店主はここでもぼくに冗談を言って絡みつく、もとい楽しませてくれる。
何とも不思議な土地に足を踏み入れたもんだな…と思った。ものっそ遠くまで来たような気がした。
↑カルミヤでソフトクリームを食っていたら雪割橋のほうから外国人観光客(日本人も数人いた?)の団体がやってきて、オー、ソフトクリーム、美味しい。グッド、グッド。350円。サンキュー。みたいな感じになっておれはいったい今何をしているのだろう?という問いも忘れジッポの火がつかず橋の上をうろうろうろ。
Trackback(0) Comments(2) by 雨|2008-08-04 03:03
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