富士山てえのは、わりと簡単に見ることができるもんなんですね。
茨城も、県南に良い観富士スポットがたくさんあるみたい。では県北から富士山を見ることはできるのだろうか?県北は山ん中だから見らんめえって?うるさい。山に囲まれひっそりと暮らす里人も、ひとたび山の上に立てばその名峰を拝むことができる。
厳しい表情をもつ山が多い県北地域には、修験道と結びついてその信仰のあとを現在にまで残している場所が少なくない。西金砂神社、武生神社、籠岩などがその一例であるが、この3つの場所は「富士山が見える」ということでも共通している。
今でこそTシャツ一枚で頂上まで登られてしまい、石を並べて「記念カキコ」なんかされてしまう(今では呼びかけによって無くなりつつあるらしいが)山に成り下がっているわけだが、それだって言わずもがなの名峰である。ましてや千年の昔、屹立する崖を必死に登りきり、大空と山々を見渡したとき、そのはるか先にそびえる富士山は修験者の目にどう映ったのだろう。
ぼくのスズメの涙ほどの信仰心では、そのときの感慨がいかばかりのものであったかは「ハアハアとはずむ息は日頃の運動不足が多少は(それこそスズメの涙)改善されたのだ」という感慨のほうが大きかったりするのだが、まあ容易に想像がつく。なぜに猫も杓子も富士山なのか、FUJIYAMAなのか。それはその雄々しさと穏やかさがわれわれの風景とこうしてダイレクトにつながって、「日本」という風土を象徴しているからなのである。
とはいえ、西金砂神社にしろ武生神社にしろ籠岩にしろ、それこそ修験道の聖地であったわけだから「ちょっと富士山でも見に」という気分で行くにはいささかしんどい(まあ、殆ど道は整備されているから車で行くぶんにはさほど苦労しないけれども)。というわけで、「ちょっと富士山でも見に」行けるような場所は無いかしら、県北に。というのが今回の旅の目的なのだが前置きがだらだらと長くて申し訳ないのですがあります。見てください富士山です!
ちょっとかすんじゃってはっきりとは見えないけど、たしかに富士山でしょ。写真だとアレだけど主観上ではもっと富士山だった。これは県北のとある山からの眺望である。道路脇の駐車スペースから、急ではあるけれどちゃんと整備された山道を10分も登れば頂上に着く。頂上には木で組まれた展望台があり、上がるとギシギシいって今にも倒壊しそうだ。ほぼ360°が見渡せ、南に富士山(と筑波山?)、西には那須連山、そして東には小さく風力発電の風車が見える。富士山が見えたときは「本当に見えるんだなあ…」とびっくりしてしまったが、那須連山を見るとそちらも雄大で、唸ってしまうものがある。
普段こういう縮尺間違ってんじゃねえか的光景を目の当たりにすることってあんまり無いから、ついついぼおっと眺めてしまう。いつまでたっても消えない違和感をじっくり咀嚼しながら、「何やってんだろ、俺…」と思いつつ、「まあいいか…。富士山だし」と何となく納得してみるのだった。
冬の澄んだ空気じゃないとなかなか見られないだろうから、今がチャンスです。ヒントは↓あと、十景のひとつじゃなかったかしら。地元の人には有名なのかな。そうそう、近くに桜並木があって、春には期待できそう。
つうか茨城県の人ってゆたりブログどれだけ見てるの?おれ、何かすげえ間違ってない?
Trackback(0) Comments(12) by 雨|2008-02-01 01:01
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