新しく紹介された小児専門医のいる都内の病院に、マーくんの心臓の検診に毎月1~2度通うことになっている。
午前10:00に診察の受付。
前の医師の紹介ということで、最短の順番だったのだが、それでも実際の診察は午後1時を過ぎていた。
今度の病院は出産入院の時よりもさらに大きな建物。
この病院、大規模な建て替え工事が進められていて、ダンプカーの往来で外は結構ホコリっぽい。
ボクは小学2年の時、扁桃腺の手術でここと同じ系列の病院に入院したことがあったが、内装はその当時と殆んど変わっていない。
地下の連絡通路とか夜は絶対何か出そうな雰囲気だ。
お昼の病院の待合室や廊下は入院患者や診察を受けに来た人、付き添いの人でごった返していた。
冬の間はウィルス等から守るため、マーくんを人ごみに出さないでと言われたが、大事な検査なのでやむを得ない。
注意してまわりを見ると、咳き込む人や、熱ぼったい感じの人が多く、失礼だがみなさんウィルス撒き散らしているのではと疑ってしまいそうになる。
そう、ここは病院なのだ。
人はいつから病院で生まれ、病院で死ぬ生き物になってしまったんだろう。
今のボクたちは病院のお世話にならずには生きていけない。
お医者さんには敬意をはらわなきゃ。
今度新しくマーくん担当となる小児科の先生は、聞いていた通りのとても感じの良い先生でひと安心。
まあ、ボクなんかとは頭のレベルが圧倒的に違いますな。
まず、レントゲン室の隣で本格的なエコー検査。
マーくんはノンタンに付き添われ、自分に課せられた境遇をすでに知っているかのように、いやがったりもせず、とてもいい子にしていた。
そしてひと通りエコー検査と録画を終え、小児科に戻り、先生から診断の説明を受ける。
今、マーくんに起きていることをありのままに説明するので、これまで他で聞いてきたことや憶測はボクらの頭のなかから一旦消去して聞いて欲しい、と、先生は言った。
まず始めに、心臓とはどういう形をしていてどんな働きをするのか、そこから始まり、図解でとても判り易く教えてくだすった。
エコーの録画画像から推定して、マーくんの心臓の中隔壁に開いた孔は直径5ミリ。
今のマーくんの心臓の動きを車のエンジンに例えると、酸素の濃すぎる混合気をニュートラルで空ぶかししている様な状態らしいのだ。
(先生の図解の書き込み)
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結果、問題なのはその孔の開いている場所。
マーくんの心臓の壁の孔は、肺に血液を送り出す弁のすぐそばにあって、この場所は結構やっかいなのだそうだ。
手術は全身麻酔を施してから、あばら骨を切って、人工のポンプを使い、鼓動を一旦止めてから心臓を切開し、パッチを埋め込むというもの。
そうなると3週間程入院が必要らしい。
聞いただけでめまいがして胃もキリキリして来る。
しかし、先生は、この手術について、
「だいじょぶですよ。」とあっさり。
手術すれば将来は普通に運動の制限もなく生活できるという。
「じゃ、ヒマラヤ登山とか出来ますか?」とボク。
「ええ、登頂したら絵葉書送ってくださいね。」
「わかりました。登頂したら絶対に写真送りますからよろしくお願いします。」
と、ボクと先生はそんな約束を交わしていた。
しかし、マーくんの心臓はまだ小さ過ぎてリスクも大きいし、輸血によるウィルス感染も全く無いとは言い切れない。
無輸血による理想体重は6kg以上。
今のマーくんは4.5kg。
それまで成長を待つかどうかというところ。
あまり長く放っておくと、心臓と肺への負担が大きくなり、心臓の肥大化に伴う体の成長の低下、また肺高血圧症が心配されるのだそうだ。
とにかく、それまで心臓と肺の負担を軽くするための薬を毎日2回ずつ投与することになった。
(レントゲン写真:真ん中にマーくんの心臓がうっすら写っている)
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マーくんは毎日すくすく育って、「元気」をボクらに放出してくれてます。
» Tags:心室中隔欠損症,
Trackback(0) Comments(3) by 野澤真人|2008-01-31 00:12
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