著者は土浦市で、旬と品種と鮮度にこだわり、
年間50品目以上の有機野菜を栽培して
消費者に直接販売している久松農園の代表、久松達央さん。
まず、何ごとも伝わりやすく言語化するセンスが圧巻で、
作文業の端くれとして羨望を禁じ得ません。
1冊目の著書『キレイゴトぬきの農業論』でも
その才能は遺憾なく発揮され、
有機野菜の魅力を独自の目線でキャッチーに定義付けたことで
話題になり、日本一話しのうまい農家として講演多数。
BS日テレの『久米書店』にもゲストに招かれていらっしゃいました。
ゆえに、理詰めの戦略家と思われたりもしますが、
実はすべての発端は有機農業への憧れ。計画などなんのその、
その時々の自分のやりたいことを貫いてきた結果という意外な真相が、
本書では、ご本人曰く素直に、綴られています。
やりたいことへの一途な思いが原動力。
操作方法を知らぬままに飛び出してしまったロケットの
これまでの軌跡を、戦略ではなく思いの面から分析した一冊。
子どもがお月様をほしがるような無垢な願いが
久松さんの原理であり、揺るぎない指標であったことに
右右脳のワタシはとても合点がいくし、励まされました。
帯には「農業入門」「起農論」の文字が見えますが、
農業、起業に興味のある方はもちろん、
あらゆる立場の方が自分に引き寄せて読むことができます。
個人的には「時間は未来から流れてくる」という概念や
「計画に熱くなれない」「はかどった感」など、
久松さんの言葉になったからこそ腹にすとんと納まる感じを
何度も味わうことができました。
順番は違うけど
『ちいさくて強い農業をつくる』を読んでから
『キレイゴトぬきの農業論』を読んでも面白いかと思います。
久松農園さんてこんなところ http://hisamatsufarm.com
スタッフの爽やかな笑顔が気持ちいい素敵なホームページです。
お料理のレシピも満載で、活用しています。
スタッフの皆さん、おつかれさまです!いろんな意味で!
最後に、閲覧注意について。
新規就農指南書としての内容から逸脱していないのに、
単に読み物としても面白い点がスゴい。
カナブンのくだりは1人スタバで吹き出してしまい、
かなり恥ずかしい思いをしたことを付け加えておきます。
» Tags:久松農園, 久松達央, 小さくて強い農業をつくる,
Trackback(0) Comments(0) by Yamepi|2014-12-10 17:05
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