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[ほんのきもちです] 記事数:479

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みーちゃん16歳

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かれこれ16年前の今頃、深夜に仕事を終えた◯パは水戸から友部へとクルマを走らせていた。暖気運転をする間もなく走り出した車内は氷のように冷えきっている。暖房のスイッチをONにして設定温度に達するまでの間、すべての音をかき消すほどにヒーターは吠え続けていた。



車内が暖まってきてやっとヒーターが吠えるのを止めた。それまでかき消されていたCDの音が聞こえるようになり、耳を傾け始めた◯パ。
交差点の赤信号で停まると、音楽の向こうにか細い猫の鳴き声がした。
こんなに寒くちゃ猫もたいへんだ。


ところが、クルマが走り出しても再び猫の鳴き声が聞こえる。
???
音楽を止めるとその声はよりはっきりとした。
もしかして、クルマの中にいるのか?

路肩にクルマを止め外へ出た◯パ。
あたりはしんと静まりかえり、先ほどの猫の声も今は聞こえない。
でも念のためと思いトランクの中を覗いてみるが何もいない。
うー寒い!やはり外をほっつき歩いている野良猫だったか。

エンジンをかけて発信。
と、またもや猫が鳴き始まった。
再びクルマを止めて車体の下を覗き込んだり、ボンネットを開けてくまなく探しても猫の姿はなかった。クルマを停めている間は猫も鳴くのを止めるから、暗い中で探しようもなく、とうとう鳴き声を気にしつつ目的地まで着いてしまった。


さて、猫はどこにいたでしょう?




懐中電灯を持ってきて丹念に調べたら、、、

フロントのナンバープレートの裏側、幅5センチほどのバンパーの上に、目が開いて間もないような小さな猫が、ぷるぷる震えていたんですと。

ナンバープレートの横幅は33センチ。
クルマが走っている間、ほんの少し前に行っても、後ずさっても、たちまち振り落とされて命を亡くしていただろう。恐怖で動けなかったのが幸いして、命拾いをした臆病な子猫。


その猫は着いた先の◯パの実家で引き取ってくれることになり、みーちゃんと呼ばれ、たいせつに育てられている。たまにワタシたち家族が遊びに行くと、気配を察知するやいなや2階に行って隠れてしまい、帰るまで降りてこない。
窓の外を近所の猫が庭を通り過ぎるだけで及び腰。外出なんてとんでもない、ほとんど家から出ていかない。ぬくぬく育ちの正真正銘のj箱入り娘。
恐怖の思い出がみーちゃんの性格を決定づけたのだろうか、心底臆病だ。


16年前のあの夜も、今夜のように冷え込みが厳しかった。暗い路地裏で生まれ、親とはぐれ、お腹を空かせ、さぞかし寒かったろう。心細かったろう。
風から身を守るために◯パのクルマを選んだことが、みーちゃんの勝因だね。
猫の16歳は人間の80歳。

みーちゃん、自分の生涯を振り返って何を思う?





今夜のニュースで、お腹を空かせた子どもたちのことを取り上げていた。飢餓にあえぐ外国の話しではない。今の日本のお話。
貧困のため親に食事を与えてもらえない子どもたちの実情。給食だけが彼らが口にできる食べ物だ。摂食状況を把握するために記入する用紙には毎日、朝食/なし、夕食/なし、おやつ/なし、の記入が続く。
いつもいつもお腹がすいている。そしていつもいつも寒いだろう。体も、心も。


この子らが80になってその生涯を振り返ったら、いったい何を思うだろうか。




           「人生そんなに悪くなかったよ」
          彼らにそう思える明日がきますように

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Trackback(0) Comments(5) by Yamepi|2009-12-22 00:12

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