昨日は◯パの仕事が休みだった。夏休み前からつい先日まで、部活と合唱に明け暮れてめいっぱい青春した◯との健闘を讃え、お疲れさん会をしてやろうと言うので、夕食に家族揃ってステーキ屋さんに行くことにした。
そのステーキ屋さんはサラダバーが充実しており、使ってる野菜は有機栽培の無農薬。まだ時間も早くうちの家族が1組目の客だったので、手つかずのサラダバーは美しく整っていた。
「まずは新鮮なお野菜をたっぷりとね〜」鼻歌まじりにいろんな種類のベビーリーフと、薄切りのトマト、セロリのマリネなどをよそって自分の席へ。◯パは好物のポテトサラダがドカッとメイン。◯とは遠慮がちにしょろしょろっと、もやしのなんたらとか海藻類を。◯えはトマトとキュウリにコーンをたっぷり。人生いろいろ、サラダもいろいろだ。
「あら〜、このドレッシングおいしいわ〜、ね、ね、次はこれとってきて食べてごらんなさい?」なんておいしくいただいてたら、瑞々しいグリーンのベビーリーフの陰から、コニチワ!元気な青虫くんピコピコ登場〜。
「うぁは〜、あふぅあ〜、うふぉ〜」……どこの国のため息ですか?
ワタシったら、出したこともない不思議な声を出しちゃいました。
ワタシは虫が苦手である。家ならワーキャー言うところだ。でもここは騒いじゃいかんと。瞬時に冷静な判断を下した脳味噌が声帯をキュキュッと閉めて、空気だけが漏れたわけだ。
「へっ?」向かいに座ってた◯とが「どしたの?」と眼で聞いてきた。
元気に前屈と伸張を繰り返す青虫くんを指差すと、「ンガッ!」と◯とも声にならない声をあげた。さすが親子だわ。
すると早くも何事かを察知した従業員の方がやってきて、「申し訳ありません!」と皿をさげて行った。
「んなもん虫だけどかして食やいいじゃん」と◯パ。
それはできませーん!何よ、早く言ってよ、いくらでも皿交換してあげたわよ!
そうこうするうちにさっきの従業員さんが、サラダバーのベビーリーフがたっぷり入ったボウルをさげようとしている。まさか捨てるわけじゃないでしょうね?たかだか青虫くん1匹でそれはやっちゃあいけないよ。思わず追いかけ、
「きっとたまたまさっきの1匹だけですよ、もったいないから点検したらそのまま戻して下さいね」と言付けた。
その後厨房から店の責任者が出てきて
「有機栽培なものでどうしてもいるんです。よく見てお出ししてるんですが…」と謝罪にきてくれた。
「いえいえ、そんな気にしてませんから。むしろ虫が喜んで食べるような野菜でなくっちゃね」とワタシ。
あーーーーーー、成長したわぁ、ワタシ!
昔だったら「年とってから病気になったってかまやしないわよ、農薬たっぷりで全然OKですから。完璧に虫のいない、見た目のきれいなお野菜ちょーだいな」
なんて言ってたっけ。バカだなぁ。こういうワタシみたいなのがいるから、需要に応じて供給があるんでしょうね。
ここ数年、連日のように食の安全が問われる報道を耳にする。近頃じゃ「事故米」なんて恐ろしい名前の米が食用に流用されて問題になり、またしても日本人のモラルの欠如が露呈した。ほんとに不誠実な輩ばっかりであったま来るんですけど!
青虫入りのサラダから、つらつら思いが巡っていった。
「知らない間に悪いもの食べてしまわないように、そして知らない間に悪いことの片棒担いでしまわないように、ご用心、ご用心」ーーー from 青虫
Trackback(0) Comments(8) by Yamepi|2008-09-11 22:10
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