「1.2、3、4、ひとり 1、2、3、4、またひとり」
お昼ご飯を食べながら、◯えがつぶやいている。
「なに?それ」と聞いたら、
「あのね、世界中では4秒にひとり、人が飢え死にしてるんだって」
「・・・・・・」
世界中には日々満足な食事をとれない人の方が多い。餓死する人の数は、日に2万5千とも3万とも言われている。4秒に1人の割合で命を落としているという事実そのものも充分衝撃的ではあるが、ふいにその話題になった状況が食事中だったということが、余計に強く胸を突いた。
目の前には質素ではあるが充分な質量の食べ物がある。それを口に運びながら、「だから好き嫌い言わずに何でもありがたく食べなさいね」などと話しをつなげていく気にはなれなかった。
「1、2、3、4、ひとり」
それほどこの言葉はずっしりと重く、学者に詳細なデータを元に説明されるよりもずっとずっとリアルだった。
どの食品にはどんな栄養素が含まれているとか、身体がこんな症状の時にはこういう食事が適してるとか、季節の歳時に食べる習慣のある料理の意味だとか、母は食べ物にまつわる知恵をよく話してくれた。姉とワタシは子どもの頃から知らず知らず、医食同源の考えを仕込まれたように思う。
ワタシも子どもたちに食のたいせつさを伝えるべく、少ない知識をことあるごとに口にしている。もったいないと思う気持ちも育ててやりたい。だが、今のこの地球規模での食料危機の現状は、小学生の◯えにどう説明したら良いのだろう。
温暖化による劇的な環境の変化はもちろんのことだが、飢餓の原因は、気候変動や天変地異による災害だけが原因ではない。
人口の増加、食肉需要の伸びに伴う飼料用穀物消費の増加、バイオ燃料など食目的以外への農地転換や農業就業率低下による作付け面積の減少、エイズの蔓延による労働力不足、日本を始めとする先進国の飽食、国家レベルの財政困難、戦争。どれもが複雑に絡み合っている。
ハンガーマップ(飢餓の状況を色別に塗り分けた世界地図)で赤く染まった国々、それぞれに抱える事情は多様で、一概には説明できない問題だ。だが、それでもワタシたちはその現状をできるだけ把握し、子どもたちにも伝えていかなくてはならないだろう。そして自分たちは何をすべきか、常に意識を持つ努力をしていかなければならないだろう。目を背けてやり過ごせるほど遠い問題ではなさそうだ。
これから時々、この言葉を声に出してみようと思う。つらいけれども、苦境に立つ人を思いながら4秒を数えてみようと思う。
「1、2、3、4、ひとり 1、2、3、4、ひとり 1、2、3、4、、、」
飢えの苦しみを真から理解することは難しいだろう。でも、せめてまずは感じてみるのだ、知らなくてはいけない現実を。
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Trackback(0) Comments(5) by Yamepi|2008-09-05 16:04
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