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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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これからの表現を探して・・・

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今年のかんじゅくざの出張公演が、すべて終わりました。
最後の今日は、水曜チームが新宿区内の保育園で
「雪渡り」を上演。
園児たち5~60人、そして
途中、指導に来てくださったバーバラ村田さんも見守ってくださる中での
本番でした。

今回の準備期間は比較的長く
七月から十一月まで、その間に私の出産を挟んでの稽古でした。
どんなことがあっても、稽古を滞らせてはいけないと思い
3人の講師の方に代講をお願いしました。
そのうち二名の方には
主に身体表現を教えていただきました。
実はこれには意図するところがありました。

ここ数年のかんじゅく座公演で痛感するのは、
「セリフでがんじがらめ」ということでした。
とにかく、おぼえることに必死。
私がどんなに「一言一句間違えないように言う必要はない」といっても
おぼえたか、否か、が第一になってしまい、
肝心の表現が忘れ去られているということでした。

そこまでセリフにこだわるならば、
完璧に覚えらえるのかと言えば
それも難しくなってきている・・・・
つまり、年齢には抗えなくなってきているわけです。
そうなると、人気があるのはナレーション。
台詞を覚えるのがめんどくさくなった人たちは、
みんな台本をもってできるナレーションを希望する・・・・
ナレーションだって、ほんとうに難しく、やりがいのあるポジションなのですが
動機は「セリフを覚えなくて済むから」というところが大きいのだと思います。

しかし、何年も続けていれば
記憶力の低下と反比例して培われる何かが必ずあるだろうと思うのです。
偶発的に面白い、というのではなく、
ある役柄やシーンに遭遇したときに、
その役者のもっている感性と化学反応が起こせる瞬間が
あるだろうと思うのです。
台詞などしゃべらなくても、ただそこに「いる」ことができる
そういう瞬間です。

過去に、かんじゅく座で、一回、その瞬間を見たことがあります。
役者は、年相応の役を演じていたわけではありません。
小学生を演じていました。
子供の役ですから、見た目とはエラくギャップがあるのですが
その言葉の生々しさは、鳥肌が立つほどでした。
ご本人には全く自覚症状はないようでしたが・・・・

今回の「雪渡り」では、子供2人が、
大人になる少し前の、小さな旅をします。
その道中を、身体表現にしてほしいと
代講のバーバラ村田さんにお願いしました。
そして「雪」と「風」が産まれました。
繊細さと、心地よさとが混ざった音楽に合わせて、
オシャレな動きをつけてくださいました。
決してダンスの振付のようなものではなく、
個々の感性に任せられた動きになります。
結果的には、惜しい部分もありました。

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1月から始める公演に向けての稽古では、
台詞にがんじがらめになることなく、
まさに、体当たりの表現になるかどうか・・・・
よい表現が引き出せるか、私にもかかっていますね・・・。

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-12-14 22:10

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